星河の覇皇
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第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその四十二
「とてもです」
「ありません」
「領地の資源や産業の収益も」
これもというのだ。
「全てです」
「領地の予算となり」
「そしてそこから」
「議会が予算を決定するので」
それでというのだ。
「搾取なぞです」
「とてもです」
「左様です、それがです」
「現実です」
こう話した、そして。
ギルフォードは紅茶を飲みつつブラウンベルグにこう言った。
「我々は生活に必要な予算をです」
「領地の予算から受けて」
「そして生活していて」
「格式のある暮らしはしていますが」
ブラウンベルグも述べた。
「しかし」
「それでもです」
「その暮らしは」
それはというのだ。
「搾取とは無縁で」
「それも全く」
「そうしたもので」
現実はそうで、というのだ。
「贅沢ではなく」
「格式のあるものです」
「あくまで」
「そうしたものなので」
それでというのだ。
「贅沢だの腐敗しているだの」
「そうした意見もですね」
「的外れです」
ギルフォードの声は強いものだった。
「実に」
「その通りです」
ブラウンベルグも同意だった。
「私もです」
「そう思われますね」
「はい」
その通りという返事だった。
「予算を越えたことはです」
「出来ません」
「そうですから」
「搾取もなければ」
「贅沢も腐敗も」
ギルフォードに述べた。
「その様なことは」
「議会が全て決めるのです」
その領地の政府が閣議で予算案を決定し議会に提出し議会が議決する、その政府も議会も平民の存在が大きいのは言うまでもない。どの領地でも下院は平民院であるしだ。
「それではです」
「どうして搾取なのか」
「そして贅沢が出来て」
ブラウンベルクも言った。
「そしてです」
「腐敗もです」
「出来ません、好き勝手なぞ」
到底というのだ。
「領地を持っていれば」
「出来ません」
「領地を持たない騎士階級でも」
爵位があれば領地を持てる、これもエウロパ貴族の特徴の一つだ。
「それでもです」
「生活があるので」
「働く必要があり」
それでというのだ。
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