大阪の夜泣き蕎麦
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第一章
大阪の夜泣き蕎麦
八条学園高等部商業科の三年生であり女子の図書委員長である国友蜜柑、薄茶色の短い髪の毛の付け根を左右で縛っている、釣り目で色白で一四七センチ位で胸は小さい彼女は今一年生で同じ図書委員の有村三葉褐色の肌に長い銀髪、細く切れ長の目で楚々とした感じ。背は一七〇近くあり胸はかなり大きい彼女に神戸にある自分達の学校の商業科の図書館で話をしていた。
「東京のことだけれど」
「東京ですか」
「あっちには七不思議あるのよね」
「ああ、本所七不思議ですね」
三葉は蜜柑自分と向かい合って座っている彼女に応えた。
「おいてけ掘とか足洗いとか」
「あるでしょ」
「七つですね」
「そう、それでね」
蜜柑はさらに話した。
「大阪にも似た様なお話あるみたいよ」
「そうなんですか」
「大阪も歴史長くてね」
「秀吉さんからですね」
「それでね」
そうであってというのだ。
「神社もお寺も多くて」
「それで、ですね」
「怪談話もあって」
「その中にですか」
「東京の方みたいなお話がね」
それがというのだ。
「あるみたいよ、何でも生國魂神社の方にね」
「あそこですか」
「真夜中に境内に出るらしいのよ」
「それどんな怪談ですか?」
「屋台が出るらしいのよ」
蜜柑はその怪談の話を具体的に行った。
「これが。夜泣き蕎麦みたいにね」
「夜泣き蕎麦ですか」
「本所七不思議の一つに夜泣き蕎麦があって」
蜜柑はその怪談の話もした。
「夜に屋台が出てるんで中に入ったら」
「妖怪が出ますか」
「いえ、誰もいないのよ」
「それで何で屋台があるのか」
「そうした怪談話でね」
そうであってというのだ。
「これがね」
「七不思議の一つですね」
「あちらのね」
「そうですか」
「それでね」
蜜柑はさらに話した。
「あの神社にもそうしたお話があるから」
「そうですか」
「私達も行ってみて確かめない?」
蜜柑は三葉に提案した。
「丁度私達二人共お家あの神社の近くだし」
「それも不思議な縁ですよね」
「制服も同じものでね」
八条学園は男女共に何十もの種類の制服がある、二人共白いブラウスに青いブレザー、グレーのミニスカートに赤いタイといった制服だ。
「それで同じ図書委員だし」
「縁ありますね」
「その縁もあってね」
「生國魂神社に行きますか」
「今夜でもね、それでね」
「そのお話確かめるんですね」
「そうしない?」
こう言うのだった。
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