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嫌われ者達のクリスマス

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第六章

「いつも酒池肉林で」
「不倫も楽しまれていますか」
「そうだ、だが彼氏や旦那さんがいる人には手を出さない」
 そこは絶対だというのだ。
「後で揉めるからな」
「ですよね、ダブル不倫なんてしたら」
「ばれたら大変ですしね」
「それはしないで」
「あくまで独身交際相手なしとですね」
「年末年始はハーレムだ」
 それを楽しむというのだ。
「それで年越しだ」
「俺達もそうしたいですが」
「作者が書かないんですよね」
「もう俺達は童貞で屑で嫌われ者」
「そう書くのが信念らしくて」
「その様だな、だが私は私だ」
 悪田部の言葉は冷徹なものだった。
「だからだ」
「それで、ですか」
「そのままですか」
「楽しむ」 
 そうしたことをというのだ。
「引き続きな」
「いいですね、俺達も何時かですよ」
「作者の気が変わることを祈ります」
「俺達がモテモテになる様に」
「そうなることを願います」
「しかし君達には金がある」
 悪田部は二人のこのことを指摘した。
「アフィリエイトやイカサマ賭博、ジャスティスカイザーのバイト料があるな」
「ええ、それで金はあります」
「俺達そっちには困っていません」
 二人はこのことはそのまま答えた。
「貯金もあって」
「老後にも備えてます」
「その金の一部を使えばな」  
 そうすればというのだ。
「風俗も行けるが」
「まあ高校生ってことで」
「あとやっぱり作者が俺達にはそうした展開書かないんで」
 二人はそれでと話した。
「このままです」
「腹立つことに」
「それでは仕方がないな」 
 悪田部はにこりともせず応えた。
「引き続きだ」
「このままですね」
「もてないままですね」
「それしかない」
 こう言うのだった。
「最早な」
「ですよね」
「本当に作者気が変わって欲しいですよ」
「俺達ももてる」
「星河の八条さんみたいになりたいですよ」
「八条荘の止さんみたいにもてたら」
「最高なんですけれどね」
 二人はここでも他作品の話をした。
「そうはならないんですよね」
「どうにも」
「それなら他の楽しみがある」 
 悪田部は二人にあらためて告げた。
「カラオケにお酒にゲームとは」
「ですね、ケーキもありますし」
「美味いものも」
「そうしたことを楽しむのだ」
 クリスマスはというのだ。
「お姉さんだけではない」
「ですね、言われてみれば」
「クリスマスはお姉ちゃんだけじゃないですね」
「二人共カラオケボックスに行ってだ」
 そうしてというのだ。
「ケーキにワインを注文しろ」
「それにローストチキンとか」
「あとフライドチキンもありますね」
「そして歌って騒いでだ」
 そうもしてというのだ。
「楽しむのだ」
「ですね、お姉ちゃんいなくても」
「そうしたことを楽しめばいいですね」
「そうだ、私は不倫を楽しんだが」
 自分はというのだ。
「そうしたことに縁がないならな」
「はい、じゃあ行ってきます」
「今から」
 二人も頷いてだった。
 実際に変身を解いて難波のとあるカラオケボックスに入って歌って騒いだ、そこでワインもケーキも鶏料理も堪能した。そうして何だかんだで楽しいクリスマスを過ごしたが。
「用件を聞こう」
「死ね、変態!」
 ブリーフ13はその身体をトレンチコートを両手で全開にさせてまだホテル街にいた、そのうえで怒鳴られていた。彼のクリスマスはこうであった。


嫌われ者達のクリスマス   完


                    2024・12・26 
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