八条学園騒動記
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第七百八十話 好色一代男その七
「常識外れもいいところだから」
「そうだな」
フックも確かにと頷いた。
「俺もそう思う」
「うん、ただこんな小説があったなんて」
ベンは唸って言った。
「昔の日本にね」
「江戸時代にな」
「源氏物語だってね」
平安時代のこの小説もというのだ。
「ハーレムだしね、竹取物語はファンタジーで」
「日本は色々あるな」
「とりかえばや物語は」
この小説はというと。
「男女入れ替わる」
「男の娘か」
「そうもなるね」
「当時にあったんだな」
「そんな作品がね」
「色々先取りしてるな」
「好色一代男は千数百年前の作品で」
そうであってというのだ。
「竹取物語なんてね」
「二千年以上昔だな」
「そんな頃にね」
「ハーレムものとかな」
「男の娘とかあったから」
「物凄いな」
「織田信長さんも」
この人物もというのだ。
「女装してるしね」
「確か祭りでな」
「天女になって」
「コスプレだな」
「踊ってたしね」
「あの人美形だったな」
「そうそう、妹さんが戦国一の美人さんで」
お市の方がというのだ。
「ご本人もね」
「顔立ち整っていたな」
「それでね」
そうであってというのだ。
「女装もね」
「似合っていたか」
「そうだったと思うよ」
「成程な、そういえば」
フックはここでこんなことを言った。
「好色一代男の頃な」
「江戸時代だね」
「遊郭あったな」
「うん、普通にね」
ベンはまさにと答えた。
「性病怖かったけれど」
「梅毒とかな」
「繫盛していてね」
「特に吉原だな」
「江戸のね、それで尼さんの服を着て」
「遊ぶ店があったのか」
「何でも大石内蔵助さんが好きで」
忠臣蔵で知られる彼がというのだ、彼がそうした遊びに興じていたことは史実でもそうであったのだ。
「楽しんでいたそうだよ」
「ここでもコスプレだな」
「そうだね」
「本当に色々先取りしているな」
フックは思わず唸った。
「日本は」
「好色一代男といいね」
「発想が凄いな」
「創作のね」
「普通考えられないな」
「僕もそう思うよ、ただね」
ベンはこんなことをここで言った。
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