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新聞紙を咥えた犬

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第二章

「だからね」
「そろそろですね」
「家族を探して」
 スタッフをというのだ。
「そうしてね」
「そのうえで、ですね」
「そう、そして」
 そしてというのだ。
「幸せになってもらうわ」
「それでは」
 スタッフも頷いた、そうしてだった。
 里親を探すと暫くは見付からなかったが三ヶ月程して。
「ミネソタ州のセントポールからね」
「是非にとですか」
「ご夫婦で言ってきたわ」
「ではですね」
「ええ、こちらに来てもらって」 
 そうしてというのだ。
「そのうえで面会してもらって」
「いいと頷いてくれたらね」
 その時はというのだ。
「家族になってもらうわ」
「それでは」 
 こう話してだった。
 実際にその家族と会ってもらった、すると家の子供達上から男の子女の子男の子の三人の子供達がだ。
 早速ビンゴを気に入ってだ、そのうえで。
「家族に迎えてくれましたね」
「ええ、それで今はあちらでね」 
 ホフマンはスタッフに笑顔で話した。
「幸せに暮らしているわ」
「メールにあった動画でもそうですね」
「特に三人のお子さん達と仲よしで」
「幸せに過ごしていますね」
「何よりよ、どうして新聞紙を咥えていたか」
「あれがあの時のビンゴの宝物だったんでしょうね」
「多分ね。けれど今はチャンスという名前になって」
 その家族に迎えられてというのだ。
「それでね」
「新しい宝物を手に入れましたね」
「そうよ、その宝物はずっとね」
「彼にありますね」
「そうよ、あの宝物はね」
 ホフマンはにこりと笑って話した、そして彼の話をミネソタから聞いていつも笑顔になった。その宝物の話を聞いて。


新聞紙を咥えた犬   完


                    2024・12・23 
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