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トイプードルの毛色

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第二章

「ふわりの毛は生きものの業界ではアプリコットっていうのよ」
「その呼び名か」
「濃い茶色ちゃなくてね」
「成程な、トイプードルの毛色も色々だしな」
「白の子も黒の子もいるでしょ」
「茶色でも薄かったりするな」
「その子によって色々で」
 毛色はというのだ。
「そう言うのよ」
「覚えておいた方がいいか?」
「そっちの業界に入るならね」
 母はそれならと答えた。
「覚えたらいいわ」
「俺はラーメン屋一筋だしな」
「じゃあいいわね」
「ああ、ふわりの毛色はな」
 それはというと。
「濃い茶色だよ」
「そう呼んでいくわね」
「これからもな」
「じゃあそういうことでね」
「やっていくな」
「ワン」
 話が一段落したところでふわりは鳴いた、洋介はそれを受けて母にあらためて言った。
「今のってふわりもそれでいいってことか」
「犬も人の言葉わかるから」
「ふわりは特に頭いい娘だしな」
「絶対にわかってるわ」
「じゃあふわりも濃い茶色でいいな」
 自分の毛色はというのだ。
「そう呼んでいいな」
「ワン」
 ふわりは座ったまま鳴いて応えた、それを受けて以後家では彼女の毛色は濃い茶色となった。そう言って彼女と共にいるのだった。


トイプードルの毛色   完


                     2024・12・22 
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