小人症を馬鹿にした人
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第二章
「許されません」
「だからですか」
「はい」
それでというのだ。
「彼は貴方に謝罪しなければなりません」
「そうなのですか」
「誰もが行為に責任を伴いますので」
「絶対にですか」
「絶対にです」
まさにという返事だった。
「ですから」
「そうですか、では」
「はい、マードック君謝罪するんだ」
「申し訳ありませんでした」
「その謝罪確かに受けたよ」
ガナーは真剣な顔で受けた。
「これ以上は求めない」
「わかりました」
「では君は暫く謹慎してもらう」
校長はまたマードックに告げた。
「反省文も書いてもらう、そして反省するんだ」
「そうします」
マードックは動けない身体で答えた、そしてだった。
この話は終わった、訳ではなかった。
ガナーは後日どうしても気になりマードックが通っているハイスクールに行った、そして彼を見るとだった。
車椅子で動く彼を周りは馬鹿にしものすら投げた、背中には彼がガナーに言った差別発言が書かれた紙があり。
苦い顔でだ、ガナーは後で知人に話した。
「まさかだったよ」
「君を侮辱した人もなんてね」
「しかも私より酷い」
「症状の若い子とはだね」
「想像もしなかった」
こう言うのだった。
「とてもね」
「そうだったね」
「だからね」
それでというのだ。
「今回のことはこれ以上ないまでに苦い」
「そうした経験だったね」
「そうだったよ」
こう言うのだった。
「絶対に忘れられないよ」
「ハンデがある人がハンデのある人を差別する」
「あってはならないことだよ」
「ハンデがなくてもだしね」
「そう、人間はね」
ガナーは苦い顔のまま話した。
「そうした面がある、彼もまた差別されていて」
「そして差別する」
「それも人間だよ、よくわかったよ」
「人間がだね」
「その醜い面がね、しかし」
それでもとだ、ガナーは言った。
「その醜い面を知ったからこそ」
「だからだね」
「そうした面を持たない様にして」
「そしてだね」
「生きていくよ」
「そうするんだね」
「人間としてね」
こう友人に話した、そしてだった。
ガナーは自分の言葉通りに生きていった、人間の醜い一面彼が見たものを忘れないで。そうしていったのだった。
小人症を馬鹿にした人 完
2024・12・21
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