実の親がいなくても
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第二章
「安心してね」
「家族としてだね」
「暮らしていけばいいんだね」
「そうだよ」
優しい笑顔での言葉だった、養子であることをからかう人もいた。だがそうした人は僅かで周りの人達は殆どだった。
双子を両親の子供達だと言った、そうして成人し。
修一が両親の、修二が祖父母の境界を継いだ。そこで二人は話した。
「お父さんもお母さんもな」
「大事にしていこうな」
「当然お祖父ちゃんお祖母ちゃんもな」
「家族だからな」
「あれだな」
修一は微笑んで言った。
「家族ってどうしてなるか」
「一緒にいて絆が出来てな」
「そうだよ、僕達は実の親はいないよ」
「どうなったかな」
「全く知らないな」
「わかっていないよ」
何もかもとだ、修二は言った。
「何処のどういった人達か」
「生い立ちも名前もな」
「そうだよ、けれど」
「どうでもいいよな」
「ああ、僕達にはお父さんお母さんがいるからな」
だからだというのだ。
「ちゃんと」
「お父さんお母さんが」
「ずっと僕達を育ててくれて」
「一緒にいてくれて」
「家族だから」
「いいよ」
それでというのだ。
「本当に」
「全くだね、それじゃあそれぞれの教会をね」
二人がそれぞれ受け継いだというのだ。
「守っていこう」
「そして盛り立てていこう」
「家族から受け継いだから」
「だからね」
二人で話した、そしてそれぞれの教会を切り盛りしていった。常に家族を想い大切にしながらそうしていったのだった。
実の親がいなくても 完
2024・12・21
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