医者でもあり看護士でもあり
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第二章
「あんたNGOに誘われて」
「中東行ってね」
「八条グループのそれで戦災に遭った人達を助けるのよね」
「暫くね、この病院に籍を入れたまま」
「この病院八条グループが運営していて」
世界的な企業グループであるこのグループがというのだ。
「八条グループって慈善事業もよくしていて」
「その中でね」
「あんた行くのね」
「医師と看護士両方の資格持っているから」
岡本は自分からこのことを言った。
「ああしたところは何かと大変で」
「人でも足りないわね」
「だから両方の資格を持っている僕はね」
「是非にっていう人材ね」
「だからね」
その為にというのだ。
「スカウトされたんだ」
「そうよね」
「だから頑張って来るよ」
「戦場に行くのね」
「後方だから」
「巻き込まれるでしょ」
「そこはグループ全体で気を付けてくれるよ」
八条グループがというのだ。
「運営しているね」
「スキーの怪我じゃ済まないわよ」
真弓は鋭い目のまま言った。
「はっきり言ってね」
「戦争のことだしね」
「それでも行くのね」
「それで傷付いた人達を助けてくるよ」
「相手は子供でも平気で攻撃する連中でね」
「沢山の子供も傷付いているね」
岡本もこのことを言った。
「だからこそね」
「行くのね」
「そうしてくるよ」
こう言ってだった、岡本は中東に行った。真弓はその彼を空港で見送って後は定期的に安否を確認したが。
数年経って無事戻って来た彼は幾分やつれていた、だがその背中にはっきりとしたオーラを見て彼に言った。
「何かとあって成長したわね」
「看護士として働いてね」
「医師としてもで」
「毎日忙しかったよ」
「けれど両方で大勢の人を助けたわね」
岡本にこのことを言った。
「そうね」
「救えなかった命があると言えばね」
「こうした仕事だとね」
「どうしてもだね」
「それ以上は言えないわ、けれど二つのお仕事でね」
医療のそれでというのだ。
「いいことが出来た、それならね」
「いいって言えるね」
「そう思うわ、ずっと何で看護士もって思っていたけれど」
「今は違うかな」
「そう思うわ、心からね」
岡本自身に笑顔で言った、そして一緒に飲みに行った時に積もる話をした。そうして飲む酒には実に深いものが感じられた。
医者でもあり看護士でもあり 完
2024・12・20
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