| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその十三

「今ではです」
「分裂していますね」
「はい」
 まさにというのだ。
「連合とエウロパで」
「そしてサハラは」
「戦乱中ということで」
 それ故にというのだ。
「最早です」
「オリンピック自体にですね」
「参加しません」
「左様ですね」
「オリンピックがなくなることは」
 アランソはこうした事態についても述べた。
「やはりです」
「嘆かわしいことでありますね」
「あってはなりません」
 絶対にというのだ。
「やはり」
「私もそう思います」
 貴族も同じ考えだった。
「そのことは」
「左様ですね」
「ですが分裂も」
 今の事態もというのだ、千年続いている。
「オリンピックの意義を考えますと」
「嘆かわしいことですね」
「連合とエウロパの対立は根深いものです」
 千年前からそうである。
「そしてです」
「それがスポーツにも及び」
「千年に至りますが」
「それはですね」
「嘆かわしいことです、最初にです」
 貴族はアランソに話した。
「連合各国のオリンピック委員会が言いましたね」
「エウロパ構成国での開催について」
「流石に参加までは言いませんでしたが」
 それでもというのだ。
「独裁国家でのそれはいいのかと」
「そこから衝突し」
「今に至りますね」
「はい、それはです」
「連合の愚かさが出ましたね」
「全くです」
 貴族はデザートを食べつつ答えた、そうしつつ果物をふんだんに使ったケーキを食べるが実に美味いと思った。
「あの件は」
「独裁国家での開催はです」
「既にありました」
 例えエウロパが独裁国家でもというのだ。
「ナチス=ドイツです」
「ベルリンオリンピックですね」
「はい」 
 まさにというのだ。
「それは既にです」
「開催されています」
「一九三五年です」
 アランソも言ってきた。
「既にです」
「開催されていますね」
「はい」
 まさにというのだ。
「それであれこれ言うなぞ」
「論外ですね」
「ましてやエウロパはです」
 アランソは自国のことも話した。
「独裁国家ではありません」
「当時貴族制度が復活したところでしたが」
「貴族制度と独裁制はです」
「また違います」
 貴族も言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧