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星河の覇皇

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第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその三

「融和を進め」
「友好関係を築きますね」
「そうしていくことがです」
「ギルフォード総統のお考えですね」
「総統は戦争を好まれません」
 アランソははっきりと言った。
「軍事力の拡大と充実を推し進めていても」
「それは国防の為ですね」
「再び連合と戦争になろうとも」
 それでもというのだ。
「あの国に負けず」
「エウロパを守る」
「その為の軍事力で」
 それでというのだ。
「戦争を行うことをお考えではないです」
「それは誤解している人がいますね」
「連合は特にですね」
「総統は好戦的で」
「連合に攻め込もうとしている」
「そう主張していて」 
 連合は実際に誰もがギルフォードはそう考えていると見ている、だからこそ軍事力の充実にも力を入れているというのだ。
「勝手にです」
「喧伝していますね」
「連合の中で」
「総統は好戦的、エウロパはですね」
「帝国主義だとです」
「何時の時代の話なのか」
 貴族はやれやれという顔で述べた。
「一体」
「全くですね」
「発展して得られるものがあるなら」
「連合と同じですね」
「発展して」
 侵略なぞせずにというのだ。
「豊かになります」
「それはエウロパもそうであり」
「軍事力は何の為にあるのか」
「護る為です」
 アランソは言い切った。
「自分達を」
「エウロパをですね」
「その通りです、国民と国土をです」
 エウロパのそういったものをというのだ。
「護る為にあります」
「よく連合はそう言っていますね」
「連合が侵略的ではないことは事実です」 
 アランソは言い切った、彼女にしても連合には強い嫌悪感を持っているがそうしたことはわかっているのだ。
「あの国はあくまで、です」
「発展を念頭に置いている国ですね」
「開発と開拓によって」
「そうしてですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「豊かになることを目指している」
「そして実現していっていますね」
「そうした国であり」
「侵略はですね」
「考えていません、先の戦役も」
 エウロパ戦役もというのだ。
「我々に工作をさせない為に攻めて来たもので」
「そうでないとですね」
「我々に攻め込むことはありません」
「絶対に」
「実際にニーベルング星系から出ませんね」
「一切」
 貴族も答えた。
「あの星系の中で訓練はしていますが」
「それでもですね」
「他のおかしな動きは」
 貴族は白ワインを飲んだ、そして。 
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