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おぢばにおかえり

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第八十三話 回廊ひのきしんその六十一

「僕としては」
「そうなのね」
「そういうことで」
「全く。まあこれで変わればと思ってたけれど」
 新一君の先輩への感情がです。
「変わらないならね」
「またですね」
「そうよ、何度でもね」
 それこそです。
「こうした機会をね」
「作ってくれるんですね」
「ええ、先輩がよかったら」
「私は何時でもいいわよ」
 先輩は笑顔で答えてくれました。
「ちっちがそうしたいならね」
「お付き合いしてくれますか」
「それがちっちのせいじんになって」
 そうしてというのです。
「いい人になってくれるならね」
「いいんですか」
「時間がない時以外は付き合うわ」
 凄く優しい笑顔で言われました。
「私もね」
「そうですか」
「だからね」
 先輩はさらに言われました。
「またね」
「こうしたことをですね」
「一緒にしましょう」
「有り難うございます」
「少なくとも先輩にはいい人ですね」
 新一君は私と先輩のやり取りを見て言いました。
「そうですね」
「私にはって?」
「はい、他の人にはどうかわかりませんが」 
 それでもというのです。
「先輩にはですね」
「引っ掛かる言い方ね」
「ですから僕この人大嫌いなんで」
「そう言うのね」
「そう言わざるを得ません」
 相変わらずの口調でした。
 ですがそれでもです、新一君はここで千敗を見ながら私に言いました。 
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