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金木犀の許嫁

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第四十五話 鯨肉その二

「だからね」
「お魚はいいわね」
「煮ても焼いても揚げても美味しいし」
「お刺身もいいわね」
「本当に何でも食べられるから」
 どう調理してもというのだ。
「だからね」
「お魚はいいわね」
「他の魚介類もね」
「蛸に烏賊、海老に貝ってね」
「どれもいいから。シーフードっていいわね」
 魚に限らずというのだ。
「ご飯にもお酒にも合うし」
「いいこと尽くめね、私達骨とか殻とか気にならないし」
「普通に取って食べられるし」
 だからだというのだ。
「いいわね」
「ええ、じゃあ次はね」
「魚介類のコーナー行きましょう」
「それならね」 
 こう話してだった。
 三人は野菜を買った、デザートも野菜で苺だった。こちらも安かったので買った。夜空の発想は既に主婦のものだった。
 そして魚介類にコーナーに行くとだ、夜空は思わず目を見開いてその食品を見てこう言ったのだった。
「こんなに大きな鯨が半額って」
「凄いですね」
「ええ、この鯨のお肉を買って」
 白華にその大きな鯨肉を見つつ話した。
「ステーキにして皆でね」
「食べますね」
「そうしようかしら」
「鯨いいわよね」
 真昼はベーコンも見て言った。
「こっちも半額あるしね」
「そうね、ベーコンも」
「どちらを買うの?」
「お金に余裕があるから」
 夜空はそれでと答えた。
「両方ね」
「買うのね」
「これは神様の配剤よ」
 目をきらきらとさせて言った。
「まさにね」
「だからなのね」
「そう、両方買って」
 そうしてというのだ。
「皆で食べましょう」
「それじゃあね」
「いや、鯨肉増えてきたわね」
「あれでしょ、日本がIWC脱退して」
 真昼はそれでと話した。
「捕鯨が自由に出来る様になったから」
「それでなのね」
「鯨肉もね」
「増えてきているのね」
「ちょっと前まではね」 
 それこそというのだ。
「もっとね」
「少なかったわね」
「それがね」
「日本がIWC脱退して」
「自由に捕鯨出来る様になったから」
「増えてきているのね」
「そうでしょうね、そもそもね」
 真昼はこうも言った。
「他の国に何を食べるなとか」
「言うなんて駄目よね」
「自分が食べないならいいけれど」
 それでもというのだ。 
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