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ハッピークローバー

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第百五十一話 お気に召すままその十

「偉そうに」
「文句言うだけの人ね」
「受け入れないでね」
「それだとね」
「シェークスピアを目にしても」
 学べることが実に多くともというのだ。
「全くね」
「学べないのね」
「批判ばかりしようと思って」
 それでというのだ。
「あれやこれやってね」
「読んでも観ても言うのね」
「それだとね」
「何も得られないのね」
「人から本を借りて」
 そうしてというのだ。
「どうだったって聞かれて」
「批判ばかりね」
「批評か何か知らないけれど」
「文句ばかり言うなら」
「貸す人も嫌だし」
「感謝しないで文句ばかりだとね」
「面白いと言ってもらったら」
 それならというのだ。
「いいけれどね」
「それが文句ばかりだと」
「嫌になるよ、ましてね」
「まして?」
「人の部屋に勝手に上がり込んで」
 そうしてというのだ。
「本を漁るならね」
「ああ、それやったらね」
 留奈は怒った顔で応えた。
「私もね」
「嫌に思うよね」
「もう二度と入るなってね」
「言うね」
「身内でもかな恵達でもね」
 親しい者達でもというのだ。
「部屋に入るならね」
「事前に断って」
「まして勝手に本漁るなんて」
 そうした行為はというと。
「切れるから」
「そうなるんだね」
「ええ、それで読んだ本に文句言うのなら」
「ふざけるなだよね」
「本当にね。ただ批判ばかりだと」
「読んでも観てもね」
 それがどれだけ触れて益のあるものでもというのだ。
「何も得られなくてね」
「成長出来ないのね」
「変なものは置いておいて」
 哲学書や思想書だけでなく創作の作品でもというのだ、世の中下らない読んだり観たりするのに値しない作品も確かに存在する。
「漫画でもアニメでもね」
「読むと何かが得られる」
「そうだけれどね」
「そう思うと漫画も馬鹿に出来ないわね」
「全くね、けれどね」
 それでもというのだ。
「どんな素晴らしいものに触れても」
「批判ばかりだと」
「だって受け入れないでね」
 その意志がなくというのだ。
「批判ってのは受け入れないことだから」
「何も得られないのね」
「最初から批判、批評してやろうとか」
「文句言うつもりなら」
「もうね」
 それこそというのだ。
「全くだよ」
「得られないのね」
「成長しなくて」
 その批判する者がというのだ。 
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