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ハッピークローバー

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第百五十一話 お気に召すままその八

「シェークスピアの謎を解いていても」
「おかしくないのね」
「そうかも知れないよ」
「シェークスピアってそんなお話もあるのね」
「そうなんだ、本当かどうかわからないけれどね」
「本当かもね」
 留奈は勘で思った。
「それは」
「そう思う?」
「何となくね」
「何となくなんだ」
「そうだけどね」
「根拠はなくても」
「ええ、そう思ったわ」
 こう伊東に話した。
「勘でね」
「勘って案外馬鹿に出来ないしね」
「そうよね」
「うん、そしてその挿絵とかね」
 伊東はあらためて話した。
「原語にね」
「謎があるっていうのね」
「そうしたお話があってあの博士がね」
「謎を解いてるの」
「あの博士も謎だらけだけれどね」
「本当にお幾つか」
 留奈もその博士について言及した。
「わからないのよね」
「もう戦争前にはね」
 その頃にはというのだ。
「八条大学におられたそうだし」
「八十年位前から」
「教授さんでね」
「じゃあ百歳越えてるのは間違いないね」
「江戸時代生まれなのが本当なら」
 これも噂である。
「百六十歳以上で」
「仙人さんみたいね」
「そうだよね」
「人間って百五十歳まで生きられるのよね」 
 留奈はここでこう言った。
「そうよね」
「生物学的にはね」
「それが寿命の限界みたいね」
「実際そこまで生きた人がね」
「実在するのね」
「ジョージアなんか長寿の国で」 
 ヨシフ=スターリン、本名をジュガシビリという稀代の独裁者を産んだことで知られるこの国はというのだ。
「百歳越えてる人も結構いて」
「百五十歳の人もおられたの」
「そうだったかもね」
「そうなのね」
「うん、それで人間はね」
 その寿命はというのだ。
「百五十歳がね」
「限界ね」
「だから博士が若し江戸時代生まれなら」
「百六十歳以上で」
「人間としてね」
 それこそというのだ。
「限界越えてるよ」
「仙人さんかしら」
「その噂もあるし」 
「錬金術もご存知で」
「それでね」
 そうであってというのだ。
「不老不死だともね」
「言われてるのね」
「そして錬金術も究めたら」
 そうすればというのだ。 
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