新オズのかかし
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十幕その九
「本当にね」
「全くですね」
「僕達もそう思います」
「世界中の人と一緒にいてです」
「お話をして遊んで」
「お互いを知りますね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「そのことは平和への第一歩だよ」
「お互いを知って理解する」
「そのことがですね」
「平和への第一歩ですね」
「そうですね」
「そこからなんですね」
「そうだよ、だからこれからも皆と仲良くしていこうね」
こう言うのでした。
「本当にね」
「かかしさんの言われる通りですね」
サリバン先生も言ってきました。
「まことに」
「そう言ってくれるんだね」
「はい、他にもです」
「平和でいられるのはどうすればいいか」
「それはです」
まさにというのです。
「色々とありますが」
「外の国にはね」
「そうです、ですがお互いを知って理解することは」
「外の世界でも重要だね」
「そこは同じです」
「そうだね」
「ヘレンはその考えをです」
サリバン先生はヘレンさんを見て微笑んでお話しました。
「見事なまでにです」
「備えているね」
「はい」
そうだというのです。
「彼女の苦難がです」
「備えさせてくれたね」
「苦難に打ち勝っていく中で」
そこでというのです。
「備えていきました」
「人種的偏見がなくて」
「他の国の人や文化への理解する力を得て」
「そして優しさや思いやりもね」
「身に着けました」
「そうだね」
「そうなりました」
「若し私が目が見えず耳が聞こえず話すことが出来なかったなら」
ヘレンさんも考えるお顔になって言いました、
「そうなっていたか」
「わからないんだね」
「そうかも知れません」
「苦難が素晴らしいものを与えてくれる」
「そうかも知れないんだね」
「若しかして」
こうかかしに言うのでした。
「そうも思います」
「そうなんだね」
「そして今は」
「オズの国でだね」
「こうして目が見えて耳が聞こえて」
そうであってというのです。
「お話も出来る」
「そのことがだね」
「やはり嬉しいです」
「そうなのだね」
「とても」
「いいことだね」
「そう思います、それでなのですが」
ヘレンさんはお話が一段落したと見てでした、そのうえでその場にいる皆に足してこんなことを言ったのでした。
ページ上へ戻る