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金木犀の許嫁

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第四十三話 百貨店その八

「ここは」
「じゃあそうしてね」
「はい」
 真昼に笑顔で応えた。
「それなら」
「私はどうしようかしら」
 夜空は水着を観つつ言った。
「一体」
「好きなの選んだらいいのよ」
「そう言われても」
 姉に首を傾げさせつつ応えた。
「どうもね」
「まだ決められないのね」
「ちょっとね」
 こう言うのだった。
「私としては」
「じっくり選んだらいいわよ」
「それで自分が買いたいもの買うのね」
「お金はあるしね」 
 こちらの心配はないからだというのだ。
「それでね」
「心配なく」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「時間もね」
「かけて」
「選んでね」
「そうしていいのね」
「ええ、夜空ちゃんが好きなだけね」
「時間をかけて」
「そのうえでね」
 それでというのだ。
「選んでいいわよ」
「そうなのね」
「私のことは気にしないで」
「私もです」 
 白華も言って来た。
「全くです」
「そう言われても」
 夜空としてはだった。
「後のこともあるし」
「屋上に行ってお昼食べて」
「本屋さん行ってね」
 そうしてというのだ。
「お買いものもするから」
「だからなのね」
「出来るだけね」
「早く決めるのね」
「そうするから」
「そうなのね」
「だからね」
 夜空はさらに話した。
「すぐに決めるわ」
「そうなのね、そこも夜空ちゃんらしいわね」
 真昼は妹の言葉を聞いて微笑んで言った。
「気遣いが出来て」
「それでなのね」
「ええ、凄くね」
「そうなのね」
「じゃあ夜空ちゃんがしたい風にね」
「すればいいのね」
「気遣ってくれるなら」
 自分達をというのだ。
「そうしてね」
「それじゃあね」 
 夜空は真昼の言葉に笑顔で頷いた、そのうえで水着を見ていった。そうして白いビキニを見て言った。
「これにするわ」
「白ビキニね」
「デザインもいいし」
「純白で露出も普通のビキニだから」
 それでというのだ。 
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