レディサンタ
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第五章
「今ね」
「はっきりとな」
「ならいいじゃない」
「いいのか」
「知らないことを知ったら」
それならというのだ。
「それでね」
「いいか」
「ほら、言うじゃない」
暖炉の傍でソファーに座ってくつろぐつつ言う。
「知らないことは悪くないのよ」
「そのこと自体はか」
「知らないことをそのままにすることがね」
「悪いか」
「そうよ、だから何でも知ることはね」
「いいことか」
「こうしたこともね」
「そんなものか」
「そう、それでね」
曾祖父にさらに言った。
「あたしはこれからもね」
「ミニスカートでいるか」
「そうしていくから」
こう言うのだった。
「それがあたしのスタイルだからね」
「それでか」
「そうするわ」
「昔はフィンランドでそんな恰好はな」
「なかったわね」
「寒いからな」
それ故にというのだ。
「とてもな」
「そうよね、けれどね」
「時代が変わったか」
「そうよ、外は寒くても」
このことは変わらないがというのだ。
「けれどね」
「部屋の中は暖かくなったな」
「昔よりずっとね」
「だからか」
「そう、服もね」
「ミニスカートでもいいか」
「それでもいける様になったのよ」
曾祖父に笑顔で話した。
「冬でもね」
「成程な」
「お家も変わったし」
「建築技術がか」
「寒気を遮断する様になって」
昔以上にというのだ。
「それで暖房器具もね」
「ストーブやヒーターもな」
「出て来てね」
「しかも進歩しているな」
「だからよ」
「昔よりずっと暖かいな」
「お部屋の中もね」
そうなっているというのだ。
「これがね」
「そういうことか」
「それでミニスカートでもいられるのよ」
「フィンランドでもか」
「兎に角寒くて」
フィンランドはというのだ。
「息も凍るけれど」
「そこまで寒いがな」
「お部屋に入ると」
「暖かいか」
「そうなったからよ」
「成程な、しかしな」
ここでサンタはハンナにこうも言った。
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