彼は いつから私の彼氏?
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それからは、私はクラブに集中していた。特に、花梨ちゃんとのコンビネーションは最高だった。時折、燕先輩の2年生のペァとも練習するのだが、押し気味に進めて、最後には勝っていた。
毎日が卓球の練習に明け暮れていて、時々は翔琉のことが頭をかすめるのだけど、学校の勉強のこともあるし、花梨ちゃんとの間もうまく行っていて、どんどん実力もついていっているのがわかるのだ。そのうち、翔琉のことを思わない日も増えて行って、冬休みを迎えていたのだ。
2学期の成績は、クラスのトップで学年でも3番目だった。1番と2番は英数Sクラスの子だったのだけど、私は担任の先生から「頑張ったな クラブでも頑張っているし、えらいぞ」と、褒められたのだ。
「水澄ちゃん えらいわぁー さすがお母さんの子よねー 誇らしいわぁー」と、成績表を手にして、言ってきた。
「う~ん たまたまよー 毎日が必死なの」
「でも 本当によくやってるわー 家のこともお手伝いしてくれるし 晩御飯の支度だって、クラブで疲れているんだろうけど、文句ひとつ言わないで、やってくれているし お母さんは助かってるのよー」
「そんなことない お母さんは私の為に、一生懸命に働いてくれてるんだものー 当たり前よー」ゴメンナサイ 私は本当は悪い子なのよ お母さんを裏切って 裸で翔琉と・・・
「今の言葉 聞いた? 達樹 水澄は本当に良い子よね!」
「あぁー わかったよー 俺とは出来が違うんだよー 頭が良いのは、水澄が半分持って行ったんだよ」
「なに 言ってんのよー あなたの方が先に生まれてるのよー お兄ちゃんでしょ!・・・ 水澄は人一倍 努力してるのよ 他には 何にも違わないわー・・・ 二人ともお母さんの子なのよ・・・」
「そーだよな 俺の妹なんだものなー・・・」と、その後はお兄ちゃんも黙ってしまった。
夜になって、智子が突然、訪ねて来て
「ごめんな 夜でないと 水澄に会えないんじゃぁないかなって」
「そーでも 無いんだけどー 電話くれれば ええやんかー」
「そんなん 水澄 携帯持ってへんやんかー」
「あっ あー ごめん 智子 あるねん ゆーうてへんかった 本当に ごめん だって 持ってるだけで つこぉーてへんからー」
「なんやのぉー 真っ先にゆうべきやろぅ」
「ほんとうに ごめんなさい」と、番号を交換した後
「翔琉は知ってるん?」
私は、首を振って何にも言わなかった。
「水澄 ・・・ 大丈夫か? 変わって行くんか? 翔琉と・・・」
その時、お母さんが「智子ちゃんに上がってもらいなさいよー 玄関じゃぁ 寒いでしょ お母さん お隣に 町内会のことでお話があるので 出掛けるからー」
リビングに通すと、ダウンを脱いだ智子ちゃんはピタリとしたれんが色のセーターにフワァファしたレモンイエローのタイトスカートでスラリとした脚が褐色に陽かっていた。テレビを見ていたお兄ちゃんが
「智子 眩しいなぁー その脚 そんな短いの穿いて 寒く無いんかー」
「なんですかぁー 先輩は、いつもクラブの時 見てたじゃぁないですかぁー」
「いや いつもと違って ミニスカートだと ドキドキするよ」
「それは スカートの奥を見たいから? 可愛いんだよ 見せよーか? フリフリだよ」
「あほっ からかうな! でも 普通だよ 男なら きょーみある」
「智子 ココァでいい?」と、私がキッチンに用意しようとして 智子のバカ お兄ちゃんを誘惑するな! と思っていると
「ねぇ 先輩 聞いて! 9月になって 女の子2人入ったやんかー それでね 男の子が居るのに一緒に着替えるの嫌や ゆうからー テニスの部室を使わせてってゆうたんやけど・・・男と一緒にやってるのって 臭いんちゃうって、断られたんよ そんでな ウチ等が着替える間 外に出ててって、男どもにゆうたんやけど・・・ええやんか べつに 智子の時は 一緒やったやんかーって 文句ゆうんよー しゃーないから 今はトイレとかで・・・ ひどいと思わへん? 顧問の先生に訴えても、黙ったきりで 何にも 変わらへんのやー」
「そーかー この頃 クラブに顔を出して無いから、知らんかった テニスの連中も、冷たいのぉー まぁ どっちみち 色気のないスポーツブラとかやろー 今までやってー」
「先輩! ウチやから かまへんかってんけど 普通の女の子は、そんなんでも恥ずかしいんやでー 女の子の気持ち わからへん奴っちゃなー スポーツパンツも白よりも黒のほうが、刺激少ないんちゃうやろかーとか しょうもない気使わなあかんしー 女の子はその下のショーツなんかでも 色んな色のん穿きたいんやでー でも、まんがいち 見られたら嫌やん」
「それはわからんでもないけどー 偶然見られたんやったらー しょーがないヤン そんなこと 俺に言われてもなぁー 俺は 受験生やでー もう 部屋に行く! 勉強」
「待ってぇなぁー 先輩ぃー そんな風に突き放さんとってーぇ ウチの先輩なんやから」
「なんや その ウチの・・・って」
「ふっ ねぇ また 水澄が居らんでも 相談に乗ってくれます?」
「・・・ えっ ・・・頼り無くて、構わんのやったら・・・勝手にせーやー」 と、お兄ちゃんは2階に逃げて行ったみたい。
「智子 何しに来たん?」
「あっ そーやー 暮れかお正月に、皆で集まろーぅよー」
「う~ん 皆でかーぁ」
「なんやのん 翔琉に あいとぉーないんか?」
「あのな 私 今 勉強のこともそーやし クラブのほうもトップ目指してるんやー そやから・・・翔琉のことも・・・ ちゃうねんでー 逢いたいよ! でも 逢って のめり込んでしまうん 怖いねん」
「・・・水澄は まっしぐらやもんなぁー 水澄の気持ち 何となくわかるけど、今は 翔琉のこと捨てたんや ほんでも このままやったら自然消滅やんかー」
「前にも ゆうたけど・・・翔琉が他の女の子と付きおーても しょーぅがないって ・・・でも 私は 今でも翔琉が好き! 翔琉も私のことをって 思うけど・・・ 勝手な言い方やねー」
「うん まぁ 水澄は今 ウチ等と違う階段登ってるんやものなー わかった 頑張れ! 水澄」
「智子 いつまでも 親友で居てな! あっ そうだ 携帯のこと 翔琉には内緒な」
「わかった 翔琉には それとなく水澄のことフォローしとく」
「ありがとう 智子 ・・・ さっき 少し 引っかかったんやけど・・・お兄ちゃんのこと ウチの先輩? もしかしてぇー」
「うふっ そやねん 夏頃からかなー 好きなん 特に、クラブに出て来んよーなったやんかー 余計にな 好きなんだって・・・達樹先輩のこと えへっ」
「はぁー 智子は色んな男の子を品定めするゆうてたやん そらぁー すごく優しいでー 私には・・・ でも ぼぉーっとしていてなぁー」
「そんなことないでー いざって時には頼りになるんやー 何回か助けてもろたんやでー さらっとな 先輩はウチの気持ち まだ 知らんやろけどなー」
「そう まぁ 親友の智子のことやから 応援せんならんけどな でも ええ加減なこと やったら あかんでー 私の大好きなお兄ちゃんやねんからな!」
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