マイナス
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第一章
マイナス
酒の神ディオニュソスの女の信者達はマイナスと呼ばれていた、狂乱状態になり荒れ狂う踊り狂う。それがあまりにも過激でだ。
ギリシアの中で問題になっていた、それは神々の中でも同じで。
天空の神でありオリンポスの主神であるゼウスもどうしたものかと思い自身の兄弟達でありそれぞれ海を治めるポセイドンと冥府を治めるハーデスを自身の宮殿に呼んで話し合い解決案を出すことにした。
ゼウスは兄弟神達に難しい顔で述べた。
「どうしたものか」
「あの者達はな」
「恐ろしいまでだ」
ポセイドンもハーデスも言った。
「荒れ狂い乱れ狂い」
「傍にあるものを壊し喰らう」
「引き裂き暴れる」
「踊り方ものけぞりだ」
「恐ろしく乱れる」
「あれはない」
「そうだ、あまりにも狂暴でだ」
ゼウスはまさにと答えた。
「ギリシア中で問題になっている」
「それでどうするかだな」
「あの者達に対して」
「それで兄弟達と話してだ」
そのうえでというのだ。
「どうにかしたいが」
「とはいってもな」
「あの者達はそれぞれ我等の治める場所にない」
ポセイドンもハーデスも難しい顔で述べた。
「ディオニュソスの信者達だ」
「その女達だ」
「だからな」
「我等の治める場所にないからな」
「海に来たらだ」
ポセイドンはそれならと話した。
「冷たい海の中に引き込んで徹底的に冷やす」
「頭を冷やすのだな」
「身体ごとな」
こうゼウスに話した。
「そうしてな」
「それで落ち着かせるか」
「冥界に来たらな」
今度はハーデスが言った。
「ケルベロスの吠え声でだ」
「怯えさせてか」
「我を取り戻させる」
そうするというのだ。
「その時はな」
「そうか、何ならだ」
ゼウスも自分の考えを述べた。
「雷を落としてだ」
「そうしてか」
「あの者達を驚かせるなり撃って静かにさせるか」
「あまり酷くない限り命までは奪わないが」
それでもというのだ。
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