マンションジャングル
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第三章
「本当にね」
「ジャングルね」
「そうだよ、都会にあるね」
「ジャングルね」
「昔東京砂漠と言ったけれど」
ある歌の一節である。
「今はね」
「ジャングルね」
「そう、都会はね」
東京が都会の代表的存在と考え話した。
「今はジャングルだよ」
「このマンションがそうね」
「そうだよ、じゃあ今から」
夫は妻にあらためて笑って言った。
「運動にね」
「ジムに行くのね」
「そうする?」
「そうね、それで運動が終わったらね」
妻は夫ににこりと笑って応えた。
「サウナに入って」
「それで湯舟にも浸かって」
「そうして身体も奇麗にして」
「そしてね」
「すっきりしましょう」
「そうしようね」
笑顔で話してそうしてだった。
一緒に汗を流して身体も奇麗にした、その後で夫は仕事をはじめた。そして妻は次の日の朝出勤したが。
帰ってだ、夫の仕事を編集者として確認してから言った。
「ジャングルが好きになったわ」
「都会のだね」
「マンションになっているね、だから出勤したらね」
そうしたらというのだ。
「帰るのが待ち遠しくなったわ」
「そうなんだ」
「ええ、ジャングルっていいわね」
「いい場所だね」
「雑多だけれど何でもあって色々な人がいる」
そうしたというのだ。
「いい場所ね」
「そうだね、じゃあこれからもね」
「一緒にここで暮らしましょう」
「そうしよう」
夫は笑顔で応えた、そしてマンションにあるスーパーで買った食材で彼が作ったビーフシチューを一緒に食べた、そのシチューを食べて夫婦はまた笑顔になった。そしてこのマンションでそれからも幸せに暮らしたのだった。
マンションジャングル 完
2024・8・15
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