| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

尻尾が短くていいのか

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二章

「尻尾だってな」
「切ってるんだな」
「そうだよ」
 実際にというのだ。
「短い方が可愛いからな」
「全部人間の都合なんだな」
 洋介は口をへの字にさせて述べた。
「嫌なことだな」
「人間の都合でやるなんてか」
「ああ、よくある話でもな」
 それでもというのだ。
「嫌な話だな」
「それはな」
 文太も否定しなかった。
「やっぱりな」
「親父もそう思うよな」
「ああ、しかしな」
「しかし?」
「尻尾が短くていいこともあるんだよ」
「ふわり自身にかよ」
「トイプードルにな、尻尾のすぐ下に何があるんだ」
「後ろの穴だよ」
 洋介はすぐに答えた。
「犬だといつも見るな」
「一緒にいるとな」
「それでか」
「尻尾が長いと付くこともあるだろ」
「出したものがな」
「そうなるとな」 
 どうしてもというのだ。
「不衛生だろ」
「確かにな」 
 洋介も否定しなかった。
「そうなるとな」
「短いと付かないからな」
「だからいいな」
「そのことはな」
「そうなんだな」
「だからな」
 それでというのだ。
「本当にな」
「悪いことばかりじゃないか」
「そうなんだよ」
「人間の都合でもか」
「汚いとな」
 どうしてもというのだ。
「よくないだろ」
「犬自身にもな」
「それでいいんだよ」
「そういう面もあるんだな」
「人間の都合でもな」
「自然のままでいいかっていうとか」
「そうともばかり限らないだろ」 
 息子にこうも言った。
「ラーメンでもそうだろ」
「ああ、食材何でもな」
 ラーメン屋で働いている立場から言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧