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神々の塔

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第八十九話 最後の戦の前にその十二

「好き嫌いあるからな」
「それはしゃあないね」
「その振った理由が太ってるからや」
「性格やなくて体形で人を判断して」
「しかも振ったことを周りに言い回ってな」
「周りと一緒に振った人を攻撃する」
「こんな性悪なことしたらな」
 それこそというのだ。
「嫌われてや」
「当然やね」
「そや」
 まさにというのだ。
「こんな奴に誰が告白するか」
「その振り方みたら」
「そしてまともな人はや」
「同性でも好きになれへんね」
「そういうことや、それでや」
 その為にというのだ。
「こいつもな」
「嫌われてるね」
「ああ、若し私に告白してきても」 
 リーは眉を顰めさせて述べた、そこには明確な嫌悪と軽蔑があった。言葉に出さずとも既に顔に返答があった。
「絶対にな」
「断るね」
「そうする、ただ私はそいつとちゃう」 
 断じてというのだ。
「それでや」
「断って」
「誰にも言わん、当然攻撃することもな」
「せえへんね」
「もっと言えば外見を見てもな」
 例えそうしてもというのだ。
「それ以上にや」
「性格を見るね」
「顔は美人でも性格が悪いとな」
 所謂性格ブスならというのだ。
「お断りや、そして私自身も性格もな」
「磨いてくね」
「今話に出てる連中は反面教師にしてな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「ああはなるまいって思って」
「自分を磨く様にしてるわ」
「ええことやね、けどほんまに恋愛は」
「とんでもなく怖いもんでもある」
「そのことは覚えておかなあかんね」
「ちょっと間違えたら心に一生の傷を負う様な」
 そうしたというのだ。
「ほんまな」
「怖いもんやね」
「そうしたもんでもあるわ」
「それはこっちの世界でも同じやね」
「当然な、恋愛のことは変わらん」 
 それはというのだ。
「起きた世界でもちょっと間違えると怖くて」
「こっちの世界でもやね」
「そのことを考えると十星連合の星のモンの殆どが縁なくてもな」
「ええかも知れんね」
「生き地獄に落ちて心に一生もんの傷受けるより」
 そうなるよりもというのだ。
「まだな」
「せん方がええかも知れんね」
「そうなってもええっていうんなら別やけどな」  
 リーは綾乃に言った、見れば彼の言葉を綾乃だけでなく他の仲間達も聞いていた、そして彼等はそんな思いはしたくないと言った。そのうえで水田の迷宮を進んでいくのだった。そこには豊穣は見られても恋愛は見られなかった。


第八十九話   完


                  2024・9・8 
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