神々の塔
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第八十九話 最後の戦の前にその八
「ガチのそれでな」
「飲んで食べてね」
「色の方はな」
「あたい達の酒池肉林にはないわ」
「全くな」
「大酒飲んでね」
アレンカールも言った。
「お料理を楽しむわ」
「山の様なな」
「ご馳走とは限らへんけどね」
「量は多いわ」
食べるそれはというのだ。
「そうした酒池肉林でな」
「ほんま色はないわね」
「色気がないというとな」
そう言うならというのだ、
「ほんまな」
「ないわね」
「そうやらな」
「かく言う碧ちゃんかて経験ないし」
「手をつないだことすらな」
「ないしね」
「あの娘は色々言うが」
口ではというのだ。
「ほんまの処女やからな」
「所謂しょビッチね」
「そやからな」
「お付き合いしたことないわね」
「誰ともな」
「こっちの世界でも」
「僕に言う前はな」
婿にならぬかとだ、碧は今では芥川に会うといつもこう言って迫るのだ。ただ芥川はかなり引いている。
「誰彼なくな」
「婿にならぬかって言ってね」
「そして式挙げてな」
白無垢を着てのそれをというのだ。
「初夜のこと言ってたけどな」
「皆ドン引きでね」
「そしてな」
「誰ともお付き合いしてなくて」
「どっちの世界でもな」
起きた世界でもこちらの世界でもというのだ。
「そして今もな」
「あんたもドン引きしてるしね」
「式はまだええが」
芥川はアレンカールに難しい顔で答えた。
「初夜を言われるとな」
「引くわね」
「四十八とか言われてな」
そのうえでというのだ。
「子供は何人とかな」
「そう言われたら」
「誰かて引くやろ」
「あたいも言われたことあるわよ」
アレンカールは苦笑いで答えた。
「芥川ちゃんに決める前はね」
「そやな」
「それで引いてね」
アレンカールもというのだ。
「聞いてないことにしたけどね」
「私もやったわ」
「僕もや」
「我もな」
「自分も言われたけどな」
「わしも言われたわ」
「わいもやったわ」
リーに中里、羅、施、メルヴィル、トウェインも言ってきた。
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