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ハッピークローバー

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第百四十八話 本物その十三

「そうしたことしてたらしいのよ」
「お家出て」
「他にも何かと揉めごと起こして育児放棄して」
「ああ、子育てもしなかったの」
「遊んでばかりでね」
 そうであってというのだ。
「欲は深いしヒス起こして執念深くて」
「最悪ね」
「あまりにも酷くて皆から嫌われていたけれど」
 それでもというのだ。
「家族にはね」
「迎えられていたの」
「そうなのよ」
「いや、普通はもう皆ね」
「許さないわよね」
「切れて」
 そうなりというのだ。
「親戚全員が縁切りしてるわ」
「そうなるわよね」
 富美子も言った。
「絶対に」
「ええ、一緒にいられるなんてね」
「無理よね、性根治す為に」
 その為にというのだ。
「お寺にでもね」
「叩き込む?」
「その人の親戚で精神病院に叩き込めってね」
「言った人いたの」
「そうみたいよ」
「頭おかしかったから」
「いつもちょっとしたことでヒス起こしていたから」
 だからだというのだ。
「それでね」
「そう言ってたの」
「そうだったみたいよ」
「その人は」
「実際には皆そこまではってね」
 その様にというのだ。
「言ってね」
「実現しなかったのね」
「そうだったけれど」
 それでもというのだ。
「兎に角そんな人がいて」
「そうした人が餓鬼になって」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「私も思うのよ」
「元がそんな人なら助けない」
「そうよ、絶対にね」
「そういうことね」
「餓鬼はそうした存在なのよ」
「とことん屑な人がなるのね」
「妖怪ですらないのよ」
「妖怪はユーモアあるけれどね」
「餓鬼はそんなものはね」92
 それこそというのだ。
「一切ないのよ」
「ユーモアも」
「本当にとことん卑しく浅ましい」
「そんな連中ね」
「この学園にもいないでしょ」
「聞いたことないわ」
 餓鬼が出ると、というのだ。
「一度もね」
「どうもこの学園いい妖怪や幽霊しかいないみたいだけれど」
「餓鬼は悪い存在だから」
「そう言っていいからね」 
 それ故にというのだ。 
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