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居酒屋に子供は

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第一章

                居酒屋に子供は
 繁華街の居酒屋安いことで有名なその店に入ってだった。
 おでんで一杯やりつつだ、OLの南明日香は同僚の潮崎綾に言った。飛鳥は一六〇位の背で童顔であり綾は一五三程で目が小さい。二人共ショートヘアで明るい感じですらりとしている。
「この前焼き鳥屋さんで飲んでたのよ」
「そうだったのね」
「先々週ね、そうしたらね」
 カウンターで一緒におでんを焼酎と一緒に楽しみつつ話した。
「子供連れいたのよ」
「焼き鳥屋さんに?」
「そう、如何にもドキュンな若い兄ちゃん姉ちゃんが」
 そうした二人がというのだ。
「小さな女の子連れてよ」
「お酒飲んでたの」
「焼き鳥食べながらね」
「常識ないわね」
 綾は和風の店のそうしたカウンターの席に座って言った。
「お子さん連れて行くお店じゃないでしょ」
「こうしたお店はね」
「そうしたお店に行ってもいいけれど」
「子供さんは連れて行くな」
「子供さんはお酒飲めないし」
「こうしたお店の雰囲気が教育によくないしね」
「そうよ、だからね」
 それでというのだ。
「連れて行かないけれど」
「非常識な親がいるわね」
「そうよね」
「それでその親がどちらもね」
 明日香は苦い顔で話した。
「如何にもって感じの外見だったのよ」
「ドキュンだったのね」
「髪形も服装もそうで」 
 おでんのごぼ天を食べつつ話した。
「メイクもでどっちもタトゥー手首とか首筋に入れてたのよ」
「見えるところに」
「そう、どっちもね」
「見えるところに入れてたらまともなお仕事就けないわよ」
 綾はちくわを食べながら言った。
「面接で落とされるから」
「普通の会社だとね」
「本当に子供さん大丈夫かしら」
「まともな教育受けてないわね」
「絶対にね」
 こんな話をしているところにだった。
 店に新たな客が来た、その客は。
「あれっ」
「どうしたの?」
「その二人よ」
 明日香はその客達を見て綾に囁いた。
「今入ってきたの」
「普通のサラリーマンとOLでしょ」
「いや、顔がね」
 真面目そうなスーツ姿の二人を見て話した。
「そのままなのよ」
「そうなの」
「メイクは変わってもわかるわ」
「タトゥー入ってるのよね」
「そうだったのに」
 明日香は首を傾げさせた、そしてだった。
 その二人を見ているとだ、二人用の席に座って明日香達の様におでんを注文しビールを飲みつつ話をはじめた。
「役作りも大変だよな」
「舞台のね」
 茉由を顰めさせて話をしていた。 
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