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おぢばにおかえり

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第八十三話 回廊ひのきしんその四十五

「けれどね」
「それでもですね」
「あることないこと言い回るのはね」
 これはです。
「卑怯だからね」
「駄目ですか」
「嫌うなら正々堂々と嫌えばいいじゃない」
「そのうえでなんですよ」
「裏で動くのね」
「そうなんです」
「先輩にもそうして」
 外ならない長池先輩を見て言いました。
「そうしてなのね」
「そのうえで、です」
「相手に嫌がらせしていくのね」
「そうなんですよ」
「私そんなことやられたら嫌うわ」 
 そうせずにられません。
「裏からこそこそなんて」
「表から正々堂々ですね」
「嫌ってもそれが正しいでしょ」
「いや、やり返されたり気付かれたりされると面倒なんで」
「それでなの」
「証拠も掴ませない様にして」
「それでこそこそやっていくのね」
 新一君を見ながら言いました。
「裏から」
「通報はいいですよね」
「警察にはね、ただ本当に恨まれるわよ」
 嫌っている相手からです。
「性格悪いわよ」
「そうですかね」
「そうした面はね」
 新一君は基本性格はいいと思いますがそれでもです。
「よくないわよ」
「悪いですか」
「そうよ、だからこうしてね」
「ひのきしんもさせてもらって」
「徐々にでもね」
「癖性分を消してですね」
「いんねんも切って」 
 そうしてです。 
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