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金木犀の許嫁

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第四十一話 デートの後の夕食その九

「最低のです」
「そう言うべき人にですね」
「なります」
 そうだというのだ。
「ここまで至りますと」
「そうならない為にも」
「極端に至ったと思えば」
 その時はいうのだ。
「まことにです」
「すぐに戻ることですね」
「そうすべきです」
 絶対にというのだ。
「何としても」
「そうしないとですね」
「今お話していた人の様になります」
「餓鬼ですね」
「そうなります」
 まさにというのだ。
「そうであるので」
「極端にならず」
「若しなったと思えば」
「戻ることですね」
「そうすべきです」
「そうなんですね」
「甲殻類は同じ場所に入れば攻撃し合いますね」
 幸雄はこの生きものの話もした。
「同じ水槽に入れますと」
「はい、ザリガニでも蟹でも」
 佐京が応えた。
「そうします、同じ種類でもです」
「攻撃し合いますね」
「だから一匹一匹です」
「別々にしますね」
「飼うなら」
「それと同じで彼等はです」
 極左そして極右はというのだ。
「顔を合わせると攻撃し合います」
「だから極左と極右は仲が悪いですか」
「同類であろうとも」
「自分達以外しかないので」
「そうです、その主張は他者を認めず非常に排他的です」
「共産主義みたいに」
「鎖国せんばかりに」
 極左も極右もグローバリズムというものを忌み嫌う、極左は経済侵略などと言い極右は裏にディープステートがいると言ってだ。
「認めないですので」
「自分達以外を」
「極左と極右はです」
「攻撃し合うんですね」
「そしてです」
 幸雄はさらに話した。
「極左同士、極右同士でもです」
「殺し合いますか」
「傍から見れば殆ど違わなくとも」 
 それでもというのだ。
「革マル派、赤軍派、中核派と別れ」
「何か凄く言い合いますね」
「傍から見ればどう違うのかわかりませんが」
 同じ極左である、それで済むことだ。
「彼等の中ではです」
「全く違っていて」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「激しく罵り合い」
「攻撃し合うんですね」
「自分しかないので」
「そうですか」
「ですから極端になりますと」
「そうした意味からですね」
「よくありません、中庸という言葉がありますが」
 儒学にある言葉だ、孔子はバランス感覚も重視していてその大切さを説いていたのだ。これもまた孔子の偉大さの一つであろう。 
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