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新オズのかかし

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第七幕その十二

「昔の護国卿は」
「私かい?」
「はい、目の色が違いました」
「今とはだね」
「今はとても穏やかです」
 そうなっているというのです。
「外の世界で島におられた頃は」
「必死な感じだったかな」
「表情がそうで」
 まずはそちらからお話しました。
「目の色もです」
「そうだったんだ」
「はい」
「やっぱりね」
 ロビンソンさんも言われて頷きました。
「そうなっていたね」
「はい、とてもです」
「必死の表情で」
「目が特にです」
「必死のものだったんだね」
「そうでした」
 まさにというのです。
「あの時は」
「そうだったんだね」
「ですが」 
 それがというのです。
「今はです」
「穏やかかな」
「はい」
 そうなったというのです。
「とても」
「オズの国に来てからだね」
「暖かくて優しい光です」
「私の今の目の光は」
「生気に満ちておられて」
 それと共にというのです。
「そうなっています」
「そうなんだね」
「ですから」
 それでというのです。
「いいと思います」
「そうなんだね、そう言うフライデーもだよ」
「僕もですか」
「明るく優しい」
 フライデーのお顔を見て言うのでした、特に目を。
「いい表情でね」
「目もですか」
「そうなっているよ」 
 まさにというのです。
「いいことにね」
「僕もとは」
「自分もとは思わなかったんだね」
「そうでした」
「自分は中々見られないからね」
「他の人は見られても」
 それでもとです、フライデーは言いました。
「ですが」
「自分はね」
「鏡か」 
 若しくはというのです。
「他に人に見てもらって」
「言ってもらうしかないね」
「客観視することは」
 自分自身をというのです。
「とてもです」
「難しいね」
「はい、本当に」
「そうだね、だから私もね」
「今のご自身の表情がわからなかったですね」
「眼の光もね」
 こちらもというのです。
「わからなかったよ」
「そうでしたね」
「うん、けれどね」
 それでもというのです。
「今わかったよ」
「僕に言われて」
「あの時の目と」
「今の目の違いにですね」
「よくわかったよ、他の人は鏡でもあるね」
「自分を見せてくれる」
「言ってくれてね、あの時は長い間一人だったけれど」
 フライデーに出会うまではです。
「今はね」
「僕達と一緒なので」
「自分のことを言ってもらって」
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「ご自身のことに気を付けながら」
「この国で。オズの国でね」
 フライデーを見つつ微笑んでお話しました。
「この島の大統領のお仕事をしながら」
「そうしてですね」
「皆と楽しく過ごしていくよ」
 こう言うのでした、ロビンソンさんはそれからも皆を案内して島で獲れた魚介類や獣それに牧場の山羊のお肉や乳製品でおもてなししました、一行はそちらも楽しんだのでした。 
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