新オズのかかし
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第七幕その七
「今はね」
「お風呂に入られていますね」
「そうだよ」
「お風呂大好きだよ」
フライデーはにこりと笑ってお話しました。
「本当にね」
「今はそうなんですね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「本当にね」
「そうなられたんですね」
「うん、お風呂はいいね」
フライデーはナターシャに笑顔のままさらに言いました。
「本当にね」
「それでこの船の中にもですか」
「あるんだ」
浴室がというのです。
「ちゃんとね」
「サウナとかは」
「そこでサウナ言うんだ」
「はい、私ロシア人なので」
だからだというのです。
「お風呂といえばです」
「ああ、ロシアだとね」
「サウナですよね」
「そうだったね」
「ですから」
それでというのです。
「フライデーさんもお好きかと思いまして」
「それで聞いたんだね」
「どうなのでしょうか」
「サウナはこの船の中にはないよ」
フライデーはこう答えました。
「島のロビンソンさんのお家にあるよ」
「そうですか」
「時々使ってるんだ」
ロビンソンさんはこう答えました。
「私やお客さん達がね」
「お家に来られた」
「そうなんだ」
「そうですか」
「サウナもいいね、ただイギリスでは」
ロビンソンさんの母国ではというのです。
「本当にサウナなんてなかったね」
「カンサスでもそうだったわ」
ドロシーも言ってきました。
「というかお風呂自体本当にね」
「滅多に入らなかったね」
「そうだったわね」
トトに応えました。
「井戸からお水を沢山汲んで」
「お湯にしてだったからね」
「物凄く手間がかかったから」
「とてもね」
「お風呂はね」
それはというのです。
「滅多にだったわ」
「そうだったね」
「お風呂に手軽に入られる」
魔法使いは微笑んで言いました。
「このことも素晴らしいことだよ」
「そうよね、オズの国に来て」
ドロシーは魔法使いともお話しました。
「毎日みたいに入られる様になったわ」
「そうだね」
「けれど旅の間は」
「今とは違ってね」
「気軽にはね」
「入られなかったね」
「あちこちに温泉もなかったから」
それこそ目を向ければある様ではなかったというのです。
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