星河の覇皇
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第八十七部第四章 首相官邸にてその十
「むしろ動かないならね」
「それぞれの国の為に」
「官僚として失格よ」
「左様ですね」
「そう、だからね」
伊東は秘書官にさらに話した。
「彼等もよ」
「優れた人達なので」
「能力も心もね」
「それならですね」
「中央政府の為に働くわ」
所属するこの政府の為にというのだ。
「日本は好きでもね」
「それは個人の感情ですね」
「官僚という立場なら」
それならというのだ。
「その所属する政府そして市民の為にね」
「動くことですね」
「中央政府に所属しているなら」
「中央政府に忠誠を誓い」
「そして市民が主権者にしても」
「連合四兆の市民を見て」
「その全体の利益を考えてね」
そうしてというのだ。
「動くものよ」
「そうですね」
「そして日本政府にいるなら」
この場合のことも話した。
「日本政府に忠誠を誓い」
「日本市民にですね」
「国益をもたらすものよ」
「日本のそれを」
「だからね」
「彼等が親日派でもですね」
「中央政府の為に動くわ」
そうするというのだ。
「だから親日派ということはね」
「プライベートのこととして」
「公人としてはね」
「考慮しないことですね」
「そうよ、官僚は国益を考える」
「その所属する国の」
「それが筋なのだから」
それ故にというのだ。
「このことはね」
「頭に入れておくことですね」
「我々もね」
こう言うのだった。
「いいわね」
「承知しました」
秘書官も答えた。
「それでは」
「その様にね、ただおもてなしはね」
「それはですね」
「楽しんでもらうわ」
絶対にというのだ。
「存分にね」
「そうしてもらいますね」
「和食もね」
「この度は何でおもてなしをしますか」
秘書官はそちらの話もしてきた。
「それで」
「そうね、茶道に能にね」
「それにですか」
「お花見に」
「桜の」
「いえ、あの人達が来る備前星系はこの季節紫陽花が奇麗な場所があるから」
だからだというのだ。
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