ハッピークローバー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百四十八話 本物その二
「滅んでそれで生前のことを懐かしんでね」
「平家物語聞いて泣いているから」
「悲しいわね」
かな恵の言う通りにというのだ。
「あのお話は」
「そうよね」
「怖いけれど」
「それでもね」
「悲しいわよね」
「耳なし芳一は」
「そうなのよね」
こう一華に話した。
「お話聞いてたら」
「子供の頃思ったわね」
「ええ、本当にね」
「怖いけれど悲しい」
一華は実際に悲しそうな顔になって述べた。
「そうしたこともあるわね」
「ええ、世の中にはね」
「私平家の怨霊は怖いけれど」
「身体のあちこちにお経書く位」
「けれどね」
それでもというのだ。
「悲しいとも思うわ」
「私もよ。ただうちのお化け屋敷は幽霊は」
「かな恵のそれでね」
「平家の怨霊とか落ち武者系はね」
「ないわね」
「あとは妖怪が多いわね」
こちらがというのだ。
「から傘とか提灯お化けとか」
「作りもののね」
「代々文化祭で何処かのクラスか部活が使って来た」
「それを使ってるわね」
「そうしてね」
そのうえでとだ、かな恵も言った。
「やっていってるけれど」
「幽霊は定番の三角の布頭にある」
「私が今着てるね」
「それだけね」
「あと処刑されて」
かな恵は一華に話した。
「晒し首になっていて」
「お客さんが動くといきなり笑ったりする」
「クラスの誰かがやる」
「あれ位ね」
「幽霊少ないわね」
かな恵は自分から言った。
「案外」
「そうよね」
「幽霊は定番だけれどね」
「うちのお化け屋敷あってもね」
「少ないわね」
「これがね」
「幽霊多くていいのに」
かな恵は少し残念そうに述べた。
「私としては」
「まああるものでね」
「やってるから」
「たまたま少なくて落ち武者は他のクラスにいったし」
「仕方ないのね」
「ええ、和風のお化け屋敷ってことだから」
自分達のクラスのそれはというのだ。
「もう幽霊はね」
「定番のこれね」
「もうね」
それこそというのだ。
「あるから」
「これでいくのね」
「多いしね、その衣装」
日本の幽霊の定番のそれがというのだ。
ページ上へ戻る