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おぢばにおかえり

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第八十三話 回廊ひのきしんその四十一

「人の世界、人の世界ね」
「修羅道、畜生道、それで餓鬼道ですね」
「最後は地獄ですね」
「それぞれあるでしょ」
「そうですね、神道でも冥府があるんですね」
「ええと、伊邪那美命がいた」
「はい、黄泉平良坂から行く」
「よく知ってるわね」
 新一君の知識に驚きました。
「そんなことまで」
「聖闘士星矢に出ていたんで」
「聖闘士星矢って」
 そう聞いて私は少し止まりました、そのうえで新一君に言いました。
「漫画じゃない」
「僕あの漫画大好きでして」
「あの漫画で読んで知ってるのね」
「そうなんですよ」
「そうなのね」
「それでなんですが」
 新一君は自分のペースで言ってきます、祖霊殿に向かって回廊ひのきしんをさらにさせてもらいながら。
「神道ではです」
「冥界があってよね」
「その坂から行きますね」
「確か伊邪那岐命が行ってね」
「這う這うの体で逃げ帰りますね」
「そうなのよね」
「まあそれで地獄はないですね」 
 神道ではです。
「餓鬼道も」
「あくまで仏教のことね」
「それで仏教の餓鬼みたいな奴にもです」
「新一君は会ってきたのね」
「そうなんです」
「これまでよく言って来たけれど」
「僕はそうした有り得ない位酷い奴とよく会ってますね」
 こう言うのでした。 
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