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星河の覇皇

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第八十七部第三章 港の整備その六十九

「むしろだ」
「軍隊よりもですね」
「さらにですね」
「規則が多く厳しい」
「そうした場所でしたね」
「その堅苦しさにな」
 さらにというのだ。
「私は辟易していた、それは今の私を形成する糧になったが」
「その堅苦しいことはですね」
「どうにもですね」
「お嫌ですね」
「旦那様としては」
「私は快楽主義者だ」
 自分はというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「規則ばかりというのはお好きでなく」
「そして堅苦しいものもですね」
「お嫌いですね」
「そうだった、あの学校に入ったのはしきたりによるものだった」
 カミュは深く考える顔で述べた。
「実はな」
「左様でしたね」
「カミュ家の子弟は代々あの学校に入る」
「そしてソルボンヌ大学を卒業する」
「それが伝統でしたね」
「そうだった」
 まさにというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「それ故にですね」
「旦那様もでしたね」
「あの学校に入られましたね」
「そうでしたね」
「そうだったが」
 それでもというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「あの学校は旦那様には馴染めない」
「そうした学校でしたね」
「どうにも」
「そうだった、ソルボンヌは違ったが」
 大学はというと。
「あちらは非常にだ」
「旦那様に合っていましたね」
「自由な校風で」
「それで、ですね」
「よかったですね」
「そうだった、いい学校だった」
 カミュにとってというのだ。
「自由でな、だから私もだ」
「あの大学ではですね」
「その学園生活を楽しまれましたね」
「そうでしたね」
「そうだった、成績は寄宿学校でもよかったが」
 彼は終始トップクラスだった、学業は常に怠らない主義であり学んできたからそちらでもそうだったのだ。
「しかし」
「それでもですね」
「寄宿学校はですね」
「堅苦しく」
「いいものではなかったことはですね」
「忘れられない、だがな」
 それでもというのだった。
「ソルボンヌはそうでだ」
「そして政界に入られても」
「それでもでしたね」
「旦那様は」
「自由に過ごされていましたね」
「そして今に至る、だが規則なくしてな」
 それを知らずしてというのだ。 
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