神々の塔
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第八十七話 釈迦如来その十
「それでな」
「最低になるね」
「人の底をぶち抜いた」
そしてさらに堕ちたというのだ。
「そうや」
「誰でもそやね」
「そや、ただな」
「ただ?」
「そこまでなる奴はそうはおらんな」
「相当あかん人やね」
「あかんからな」
人としてというのだ。
「自分以外見えへんでな」
「自分の行いもやね」
「それでや」
「そう勘違いするんやね」
「ほんま屑を極めた」
「そうして一切努力してへん」
「そんな奴やないとな」
さもないと、というのだ。
「ならへんな」
「そこまではやね」
「そやろな」
「そうしたもんやね」
「ああ、唯我独尊自分だけが偉いとかな」
「相当あかん人が思うことやね」
「そうやろな」
こうした話をしたのだった、甘茶を飲みながら。そして釈迦如来の前に行くと神霊は優しく微笑んで話した。
「これより試練として戦いますが」
「何かありますか?」
「貴方達が敗れても再度挑戦するだけで」
中里に笑って話した。
「石の中に入れる等ということはありません」
「西遊記みたいにですね」
「はい」
そうだというのだ。
「決して」
「そうなんですね」
「ですからご安心を」
こう言うのだった。
「五百年もということはありません」
「あれは西遊記のことですね」
「斉天大聖は暴れ過ぎました」
この話を実際に行われた彼はというのだ。
「それで戒めとしてです」
「五百年ですね」
「石の中に入れましたが」
「僕等はですか」
「あの様なことはしておらず」
天界を乱しに乱した様な大暴れはしておらずというのだ。
「この塔には試練として来ているので」
「そやからですね」
「はい」
まさにというのだ。
「安心してです」
「戦ってええですか」
「左様です。ではこれより私達如来とです」
「戦って」
「試練を乗り越えて下さい」
「宜しくお願いします」
「私も全力で戦いますし」
釈迦如来は微笑んだまま述べた。
「貴方達もです」
「全力で、ですね」
「戦って下さい。尚私達は攻撃は行いません」
それはないというのだ。
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