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神々の塔

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第八十七話 釈迦如来その八

「お釈迦さんを見てると」
「そうしたお考えとはやな」
「思えんけどな」
「博愛主義やな」
「穏やかで謙虚で」
 施に話した。
「公平でな」
「思いやりもあって」
「思慮深くて」
「全然偉そうやないな」
「むしろ自分はまだまだっていう」
 唯我独尊どころかというのだ。
「そんなお考えやな」
「実際に涅槃に至っても修行してはるしな」
「そやな」
「ほんまの人格者で」 
 釈迦という神霊はというのだ。
「自分を偉いと思わん」
「そうした方やな」
「自分もそう思うわ」
 施は和菓子を食べてから述べた。
「ほんまな」
「そやな」
「あの逸話はちょっとな」
「お釈迦さんの素顔とはやな」
「離れてるわ」
 こう言うのだった。
「どうもな」
「そう思うな」
「唯我独尊になると」
 その時はというと。
「そこで終わりや」
「天狗になってな」
「自分は偉い、これ以上はないまでに」
「そう思ってな」
「それ以上はな」
 まさにというのだ。
「成長せん、そして性格もな」
「ふんぞり返ってな」
 シェリルはそれでと話した。
「偉そうになってな」
「態度も悪くなって」
「碌でもなくあんるわ」
「そや、お釈迦さんは気さくな方で」
 弟子達への面倒見もよかったという。
「ずっと努力してはったしな」
「今もやな」
「してはるわ」
「そんな方やな」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「天上天下唯我独尊なんてな」
「言うてはらへんな」
「そう思うわ、お釈迦さんの凄さを表した逸話やと思うが」
「実際はやな」
「言うてはらへんやろ」  
 こうシェリルに話した。
「お寺、仏教のことやと織田が詳しいが」
 人の星の者の一人である彼がというのだ。尚その宗派は四国に多い真言宗ではなく浄土宗であったりする。
「そうしたお話はな」
「ないって言うてるな」
「あいつもや」
「そやねんな」
「この世界で仏教やとあいつが一番やろな」
「仏教のお坊さんだけあって」
「僧兵も知ってるけどな」
 この職業の者達もというのだ。 
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