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サイコ=コンプレックス

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第三章

「今思いはじめてるわ」
「そうなんだな」
「そうなっているのね」
「ええ」
 そうだというのだ。
「今はね」
「そうか、それならな」
 父は娘の話を聞いて言った。
「もうな」
「もうっていうと」
「超能力を受け入れてな」
 そうしてというのだ。
「生きていったらどうだ」
「そうしたらいいの」
「ああ、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「生きていったらどうだ」
「そうなのね」
「人を助けられるならな」 
 そうであるならというのだ。
「それはいいことだからな」
「それでなのね」
「もうな」
 まさにというのだ。
「超能力を受け入れてな」
「生きていけばいいのね」
「そうじゃないか?」 
 娘に自分も考えている声で述べた。
「それならな」
「そうなのね」
「そしてな」
 父はさらに言った。
「隠れてもいいことをしたらどうだ」
「要は悪いことに使わないといいんじゃないかしら」
 母はこう言った。
「それならね」
「それでいいの」
「ナイフでもものを切ることに使えばよくて」
 そうであってというのだ。
「人に向けないといいでしょ」
「そうね」
「手や足だって普通に使えば問題なくて」 
 身体の一部もというのだ。
「暴力に浸かったら駄目でしょ」
「殴ったり蹴ったりね」
「そういったことと同じでね」
 それでというのだ。
「超能力もね」
「悪いことに使わないといいのね」
「そうでしょ」
 こう言うのだった。
「それなら」
「そうなるのね」
「そう考えてね」
 そうしてというのだ。
「超能力を受け入れて」
「必要な時に使えばいいのね」
「魔美が隠したいなら隠してね」
 そのうえでというのだ。
「見付からない様にして」
「使えばいいのね」
「それでいいんじゃないかしら」
「そうかもな」
 また父が言った。確かな声で。 
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