イデオロギーの逆襲
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第三章
「極端に偏っていて」
「マルクス主義みたいな」
「そんな風で」
それでというのだ。
「かなりね」
「そちらも極端なのね」
「そしてどっちも自分の信じたい情報だけ信じて」
「そこも同じなのね」
「その情報を自分に都合よく解釈して」
「言うのね」
「そうでね、左と右の違いがある様で」
その実はというのだ。
「ほぼね」
「同じなのね」
「うん、共産主義とね」
ネット右翼と呼ばれる者達の主張もというのだ。
「野党嫌いで異論認めなくてすぐに訴えるぞで」
「全体主義的で」
「そんな風だからね」
「同じね」
「ソ連が崩壊して」
苦い顔のままだ、畑中は語った。
「それで共産主義が終わったと思ったら」
「復活したのね」
「共産主義というか」
畑中は考える顔で話した。
「全体主義かな、そのソ連が崩壊して運動家も」
「学生運動をやっていた」
「そう、あの人達が終わったと思ったら」
それがというのだ。
「ネット右翼っていう全く同じの」
「右と左の違いがあっても」
「そうした人達が出て来て」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「おかしなこと言って力も持ってるよ」
「ソ連が崩壊しても」
「イデオロギーは復活してきたよ」
「全体主義は」
「うん、一つの国家が崩壊しても」
ソ連がそうなった時のことを思い出しつつ語った。
「イデオロギーは終わらなくて」
「右も左も関係なく」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「力を持って動くんだ」
「そういうものね」
「そのことがわかったよ、しかし」
「しかし?」
「右左関係なく」
妻に苦い顔で話した。
「異論を認めず自分達しかなくて極端になると」
「同じね」
「うんざりする位ね」
こう言うのだった、そしてこの日もネットで彼等を見て苦い顔になった。その極端で自分しかない全体主義的な発言を見て。
イデオロギーの逆襲 完
2024・9・12
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