それはカルトだ
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第一章
それはカルトだ
母の栗林真央、切れ長の大きな目と茶色にしたセットした長い髪の毛と形のいい顎に大きな唇を持つ彼女にだ、母親そっくりだが黒髪である娘の大学生の真紀学校から帰ったばかりの彼女は言った。二人共背は一六〇位で胸はよくスタイルもいい。
「そこはね」
「危ないわね」
「絶対にね」
自宅の居間で母に向かい合って座ったうえで答えた。
「お母さんが見てもよね」
「ええ」
母はその通りだと答えた。
「聞いたこともない宗教団体でね」
「ここに来たのね」
「パンフレット持ってきてね」
「これね」
そのパンフレットを見てだ、真紀は言った。
「やたら予言とかね」
「人類滅亡とか言ってるわね」
「ちょっと待ってね」
ここでだ、真紀は。
自分のスマートフォンを出した、そしてその宗教団体について検索してそのうえで言ったのであった。
「かなりね」
「危ないのね」
「お母さんも見て」
母にも調べる様に促した。
「スマホですぐに出るから」
「ええ、それじゃあ」
真央は娘の言葉に頷いた、そして実際にだった。
検索して調べてだ、こう言った。
「これはね」
「胡散臭いわね」
「物凄く禁欲的で」
「予言言ってね」
「厳しい教理ね」
「どうすれば救われるとか言ってるわね」
「ええ」
娘のその指摘に頷いた。
「やたらとね」
「それで教祖さんだけれど」
初老の女性のその画像を見て言った。
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