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新オズのかかし

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第三幕その十

「奴隷やアフリカ系の人達のことが」
「今思うと同じなのにね」
 ジョーも言いました。
「奴隷を廃止するかどうかで戦争になって」
「大変なことになったわね」 
 ベスも悲しそうに言います。
「アメリカを二つに割って」
「お父さんも戦争に行って」
 エイミーもその時のことを思い出して言います。
「沢山の家族が離れ離れになったわ」
「そうしたことを理解することだよ」 
 かかしは四姉妹に真面目なお顔でお話しました。
「そうしたらね」
「その分平和になりますね」
「他の人のことを理解したら」
「信仰や人種のことを」
「そうしたら戦争も減りますね」
「その筈だよ、他にも考えないといけないことはあるよ」
 戦争についてはというのです。
「けれどね」
「そうしたことを理解するとですね」
「その分戦争は減りますね」
「そしてオズの国では理解されているので」
「平和なんですね」
「ずっとね、平和でありたいならね」
 そうなることを願うならというのです。
「相手を、神様や人種のこともね」
「理解することですね」
「どういったものでどういった人か」
「そうすることですね」
「そうでありたいなら」
「そうだよ、相手を認められないなら」
 そうであるとならといいますと。
「その分戦争も起こるよ」
「そうですね」
「その通りですね」
 ご夫婦はかかしの言葉に頷きました。
「本当に」
「そうなってしまいますね」
「だからオズの国はそうしているしね、あの前ノーム王もね」
 ラゲドー氏もというのです。
「今ではね」
「そうした人になりましたね」
「自分以外の人を認められる」
「無欲で邪心もなくて」 
 そうであってというのです。
「平和な人になったから」
「オズの国の人達は皆そうで」
「平和ですね」
「そうだよ、自分達以外を認めていこうね」
 かかしは今度は一言で言いました、そうしてです。 
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