新オズのかかし
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三幕その四
「それもまだですね」
「進歩するわ」
「そうですよね」
「いや、僕達もね」
樵はここでこう言いました。
「オズの国の進歩には驚いているよ」
「そうなんですね」
「君達がいた頃のアメリカよりも」
ジョーに対して言うのでした。
「僕達がドロシーとはじめて出会った頃のオズの国よりもね」
「今は発展していますね」
「オズの国はね」
「そしてアメリカも」
「君達の頃は飛行機もなかったね」
「はい」
とてもとです、ジョーは答えました。
「気球はありましたが」
「そうだったね」
「飛行船もです」
「まだだったね」
「気球でお空を飛べるだけで」
それだけでというのです。
「凄いと思っていました」
「そうだったね」
「それがです」
まさにというのです。
「今ではです」
「飛行機そしてヘリコプターで飛べるからね」
「潜水艦で海の中も進めますね」
このことはメグが言いました。
「そのこともです」
「凄いね」
「私達の頃は蒸気船が出て」
「帆で風を受けて動かないで」
「自分達で動ける船が出て」
「漕ぐ必要もなくて」
「凄いと思っていたのが」
それがというのです。
「変わりまして」
「今では蒸気どころかね」
「原子力しかも」
ジャックが言いました。
「魔法や錬金術も使われているからね」
「オズの国ではそうですね」
「無限に動けるね」
「凄い船ですね」
「そんな船だからね」
「今はそうですね」
「灯りもです」
ベスはこちらのお話をしました。
「私達の頃は鯨油でした」
「そうそう、その頃はね」
トトがまさにと応えました。
「灯りはランプで」
「鯨油が燃料でした」
「そうだったんだよね」
「それが今はです」
「電灯だね」
「ボタンを押すと点いて」
灯りがです。
「お部屋全体を照らす」
「そうしたものだね」
「そうなりました」
「今はね」
「それがとても快適で」
ベスは微笑んで言いました。
「夜も皆でゲームをしたり読書をすることが楽になりました」
「ずっととても明るいからね」
「ですから」
「パーティーに出ても」
エイミーはこちらのお話をしました。
「ずっと明るくて出て来るお食事も」
「かなりいいよね、今なんてね」
魔法使いはにこにことして応えました。
ページ上へ戻る