八条学園騒動記
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第七百七十一話 最初から略奪目的その六
「エウロパの連中寄りはましだったわ」
「言葉過去形だけれど」
「今はいないのよ」
「だから過去形なのね」
「そう、まさに人間の屑で」
そう言っていい輩でというのだ。
「真夜中に自分と同じドキュン連中集めて」
「ああ、騒いで」
「飲んだ後の空き缶を他の人の家のところに捨てるから」
「問題になったのね」
「それでご近所で問題になって」
こうした話はこの時代でも存在している、周りの迷惑を考えず自分だけの輩というものは何時でも何処でも存在しているからだ。
「それでね」
「そのうえでなのね」
「ご近所から苦情が殺到して」
そうなってというのだ。
「今はね」
「追い出されたのね」
「アパートにいたけれどね」
「そうだったのね」
「どっかで働いてたらしいけれど」
それでもというのだ。
「どうせね」
「碌に働いてないわね」
「さっきドキュンって言ったけれど」
「まさにそれだったのね」
「ドキュンの働き方なんてね」
「碌なものじゃないわね」
「何でもご近所の人のお一人がそいつの職場にもね」
そちらにもというのだ。
「連絡したから」
「だからなのね」
「もうね」
それこそというのだ。
「その職場もクビになったそうよ」
「そうなのね」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「今どうしているか」
「住むところもお仕事もない」
「野垂れ死にかもね」
「ドキュンの末路らしく」
「そうかもね、けれどね」
そうなってもとだ、アロアは言った。
「そうなっても誰もね」
「何とも思わない奴だったの」
「というかざまみろってね」
その様にというのだ。
「思う様な」
「そんな奴だったのね」
「ええ、それでエウロパ貴族も」
「その実は」
「もうね」
それこそというのだ。
「一皮剝けばね」
「そんな連中よね」
「絶対にね」
それこそというのだ。
「そうに決まってるわ」
「そうよね」
ナンもまさにと答えた。
「上品ぶっていてもね」
「バイキングと同じね」
「ドキュンよ」
「そうよね、しかしその屑だけれど」
ナンはアロアに言った。
「多分ね」
「多分?」
「普通の職場じゃなかったら」
そうしたところで働いていなければというのだ。
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