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神々の塔

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第八十四話 三つの世界の主神達その十

「穢れしかも死の穢れの考えがあって」
「それでやな」
「ほんまな」
「自分自身が知って驚く」
「そうした生まれやてな」
「そうやねんな」
「日本やとな」
 そうだというのだ。
「これが」
「それがほんまな」
「他の国のモンにはわからんな」
「そや、しかし差別ってな」
 シェリルは考える顔で述べた。
「何処でもそんなもんやろな」
「他の国から見れば何でもない」
「そんなことが絶対になっててな」
 それでというのだ。
「差別される」
「そんなもんやな」
「そやろな、民族とか人種とか」
「宗教とかな」
「地位とか地域で」
 そうしたものでというのだ。
「差別してされて」
「時には殺し合うな」
「中にはな」
 それこそというのだ。
「そうしたこともあるな」
「そやな」
「そう思うとな」
「人は難儀や」
 芥川は難しい顔で述べた。
「何でもないことを絶対やと思い込んで」
「他人を排除する」
「そうしたな」
「困った面があるな」
「こっちの世界でもな」
「s差別や偏見があるな」
「どうしてもな、しかしな」
 芥川は苦い顔で話した。
「そんなもんは根拠がな」
「ないな」
「科学でも何でもな」
「その実はな」
「ないわ、それがわからんとな」
 そうでなければというのだ。
「失敗するわ」
「その通りやな」
 シェリルは芥川の言葉に頷いた、そうして後ろから迫ろうとしていたハーデス配下の者達を振り向きもせずだった。
 術を放って一掃した、そのうえで彼等の降伏と金を受け入れて先に進んでいった。そうしてであった。
 神霊達の階に着くとだ、ゼウスとポセイドンそれにハーデスに言われた。
「さて、よく来た」
「これからわし等と戦ってもらうぞ」
「準備はいいな」
「はい、宜しくお願いします」
 綾乃が一行のリーダーとして神々に応えた。
「これから」
「うむ、しかしそなた達わしの本質がわかっているな」
 ハーデスが言ってきた。
「嬉しく思う」
「冥界の神様でも悪やないって」
「誤解されることもあってな」
 ハーデス自身も言うことだった。
「困っているのだ」
「ハーデスさんご自身も」
「左様、しかしな」 
 それでもというのだ。
「わしはただ冥界の主神であるだけでだ」
「死んだ魂を治める」
「兄弟達と同じだ」
 その立場はというのだ。 
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