| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十七部第三章 港の整備その十五

「だからな」
「今はですね」
「何としてもだ」
「人口を増加させていきますね」
「国家の政策としてな」
 即ち国家戦略としてというのだ。
「そうしていくのだ」
「我がエウロパは」
「エウロパの人口が多かったことはない」
 モンサルヴァートはこうも言った。
「歴史においてな」
「人類の歴史で」
「ローマ帝国は五千五百万程擁していたが」
「それは帝国全土のことで」
「小アジアやエジプト、カルタゴやシリアを入れてだ」 
 そのうえでというのだ。
「五千五百万でだ」
「イタリアやガリア、ギリシア等では」
「割合は少なかった」
「欧州だけではですね」
「とてもだ」
 それこそというのだ。
「五千五百万もだ」
「いませんでした」
「ローマ帝国は三大陸にまたがっていた」
 その国土はというのだ、ヨーロッパだけでなくアジア、アフリカの国土も擁していた国であったのだ。
「それ故のだ」
「五千五百万でしたね」
「北アフリカ沿岸地域等も入れてな」
「ヘブライの地もまた」
「それでだ、ガリアやギリシアは穀倉地帯でもなかった」
 このこともあってというのだ。
「それでだ」
「人口は少なく」
「そして今に至るまでだ」
「人口は少ないままですね」
「連合諸国と比べるとな」
「長い間中国の方がでした」
 タンホイザーは口を真一文字にして述べた。
「人口が多く」
「そして総生産もな」
「左様でしたね」
「ジャガイモが入り産業革命も興り」
「人口は爆発的に増えても」
「それでもだ」
 そうしたことが重なってもというのだ。
「どうしてもだ」
「エウロパは人口が少ないままでした」
「二十世紀で五億だった」
 これは東欧と西欧を併せてだ。
「中国が十億でアメリカは二億でだ」
「日本も一億を越えていました」
「ブラジルは二億近くな」
「兎角人口はですね」
「連合各国の方が多く」
 それも圧倒的にだ。
「我々としてはな」
「どうしてもですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「人口がネックになっていてだ」
「今もですね」
「そうなっているからな」
「それをですね」
「あらためる必要がある」
 どうしてもというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧