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神々の塔

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第八十四話 三つの世界の主神達その六

「冥界に行っても死の穢れはあっても」
「それでもやな」
「不気味ではあっても」
 シェリルにそれでもと話した。
「これといってね」
「悪い世界やないな」
「伊弉諾尊が行きはったけど」
「死の穢れがあってもな」
「よお見たら悪かっていうと」
 そうした世界かというと、というのだ。
「ちゃうね」
「日本神話でもやな」
「穢れは忌まれるわ」
 日本神話即ち神通ではというのだ、兎角神道では穢れは忌み嫌われ清めんとされるものであるのだ。
「確かに。そやけど」
「悪かっていうと」
「特にやね」
「悪やないな」
「そやね、ただ穢れは」
 これはというと。
「ほんまに」
「あかんな」
「神道ではそうなってることが」
「問題やな」
「そやけど穢れは清めたら終わりやし」
 そうすればというのだ。
「結局死も絶対のもんで」
「誰もが死ぬさかいな」
「神様でも」
 日本神話では神といえど死ぬことがあるのだ、尚これは他の神話でも同じである場合が多い。メソポタミア等がそうである。
「それでやねん」
「死の穢れを受けるな」
「そやけど」
「死、冥界は悪か」
「ちゃうって」
「綾乃ちゃんは思うな」
「やっぱり」
 こう言うのだった。
「ほんまに」
「そうやな」
「それで冥界の神々も」
 彼等もというのだ。
「やっぱり」
「悪やないな」
「というか日本神話で悪って」
 その概念はというと。
「穢れは否定されてても」
「絶対悪はないな」
「うちの神具の八岐大蛇があって」
 そうしてというのだ。
「八十神っていう敵役は出ても」
「絶対の悪はないな」
「そうやし」
 そうした世界観でというのだ。
「八岐大蛇かて」
「綾乃ちゃんの神具でな」
「巨大な怪物であっても」
「絶対悪か」
「そうでもないし」
「むしろ自然の具現化やな」
「そうやしね」
 八岐大蛇はというのだ。 
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