ハッピークローバー
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第百四十四話 教会に行ってその十二
「ないとっていう位」
「和食の時はね」
「そうしたお弁当の時も」
「だから入れ忘れて」
今回というのだ。
「困ったし」
「それで私があげるって言ったら」
「お礼はするわ」
絶対にというのだ。
「そうするわ」
「いや、お礼なんていいわよ」
笑ってだ、一華は留奈に返した。
「梅干し一個位」
「いやいや、それでもくれるんだから」
それでというのだ。
「ちゃんとね」
「お礼はするの」
「私のお弁当からね」
そのお礼の具体的な内容を話した。
「おかずを一つね」
「貰っていいの」
「ええ、そうしてね」
「それでおかず何?」
「鶏肉の竜田揚げとほうれん草のおひたしとミニトマトと蜜柑よ」
留奈はすぐに答えた。
「この四つよ」
「それで幕の内風ね」
「そうなのよ」
「確かにトマト以外は全部和風ね」
「昨日の晩ご飯の残りを入れたの」
「お弁当あるあるね」
「それでね」
そうしてというのだ。
「梅干しだけね」
「忘れたのね」
「けれど一華がくれるなら」
それならというのだ。
「交換でね」
「ええ、じゃあミニトマト貰うわ」
一華はにこりと笑って答えた。
「そちらをね」
「それでいいのね」
「ええ、私はね」
それでというのだ。
「それと梅干をね」
「交換ね、いや本当に和風のお弁当でね」
「梅干しがないと」
「それでお家でもね」
「いつも食べてるから」
「ないと困るのよ」
「本当に好きってわかるわ」
「お茶漬けでもね」
こちらを食べる時もというのだ。
「お茶漬けのもともいいけれど」
「梅干しね」
「これでもね」
「よく食べるのね」
「お漬けものもで」
「それで梅干しも」
「そうなのよ、じゃあお昼にね」
「梅干し頂くわ」
一華に笑顔で話した。
「是非ね」
「それじゃあね、それとね」
「それと?」
「お酒のおつまみにもなるでしょ」
「梅干しは」
「そのことでもいいことよね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「お酒飲む時もね」
「おつまみにすることもあるの」
「そうなの、上杉謙信さんみたいに」
「梅干しをおつまみにして飲むこともあるのね」
「最近ね」
「あっさりしてよさそうね」
一華もその飲み方について述べた。
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