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新オズのかかし

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第一幕その四

「今からね」
「僕もだよ」
「僕だってそうだよ」
 かかしだけでなく樵も言いました。
「今から昼も夜も歩いてね」
「そして向かっているけれどね」
「その時が楽しみだね」
「あの子達と会うのも」
「そうだね、それでね」 
 さらに言うジャックでした。
「一ついいかな」
「何かな」
「うん、僕達はこのまま歩いて」
「昼も夜もね」
「休むことなくね」
「そうして進むからだね」
「すぐに都まで行けるね」
 そうなるいというのです。
「そうだね」
「そうだよ」
 かかしはその通りだと答えました。
「僕達はね」
「そのことが有難いね」
「僕達は寝ることも休むこともしなくてよくて」
「食べることも飲むこともしなくてね」
「動こうとすればね」
 そうすればというのです。
「本当にね」
「どれだけでも動けるね」
「そうだよ」  
 まさにというのです。
「そのことがね」
「僕達の身体のいいところだね」
「僕達が気に入っているね」
 そうしたというのです。
「凄くね」
「いいことだね」
「そう、普通の人は八時間位しかね」
「動けないね」
「一日のうちね」
 二十四時間のうちにというのです。
「しかも疲れもするから」
「歩いても速度が遅くなったりもするね」
「そう、けれどね」
「僕達は疲れることもないからね」
「だからね」 
 そうであるからだというのです。
「本当にね」
「好きなだけ動けるね」
「一日二十四時間もね」 
 これだけもというのです。
「普通にだよ」
「動けるから」
「簡単に計算して」
 そうしてというのです。
「普通の人の三倍の速さで」
「都まで行けるね」
「そうだよ」
「僕達はこの身体がとても気に入っているからね」
 樵も言ってきました。
「これでいいね」
「最高の身体だね」
「全くだよ」
「寝ることも休むこともね」
「必要なくてね」
「食べることも飲むこともしなくてよくて」
「しかも疲れない」 
 そうしたことが一切ないというのです。
「最高の身体だよ」
「全くだよ、ではね」
「このままね」
「都まで行こう」
「そうしよう」
 笑顔でお話してでした。 
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