ドリトル先生と奇麗な薔薇達
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十二幕その十二
「このお酒じゃなくてね」
「何かな」
「今ふと思ったけれど」
同じく大吟醸を飲んでいる先生に言うのでした。
「ワインも飲むでしょ」
「ああ、お寿司を食べる時に」
「そう、そしてね」
それでというのです。
「魚介類だから白ワインだけれど」
「ロゼの場合もあるね」
「ロゼ、薔薇ね」
先生ににこりと笑って言いました。
「丁度いいわね」
「じゃあ飲むんだ」
「大吟醸を飲んだら」
今飲んでいるお酒をというのです。
「次はね」
「丁度メニューにあるよ」
お品書きを見ればそうでした。
「それじゃあね」
「そちらをいただくわ」
「それじゃあね、あとね」
「あと?」
「兄さんも飲むわよね」
先生にも言うのでした。
「そうするわね」
「うん、それならね」
「一緒に飲みましょう」
「そうしようね」
「兄さんのお陰で」
ロゼと飲むことを決めてからです、サラはあらためて言いました、
「一組のカップルが幸せになったし」
「プレゼントを贈れてだね」
「そして日笠さんもね」
「一歩進めたっていうんだね」
「よかったわ、その二つのことにもね」
是非にというのでした。
「お祝いしてね」
「それでなんだ」
「今日はね」
「ロゼをだね」
「今思いついたけれど」
それでもというのです。
「楽しんでね」
「飲むんだね」
「そうさせてもらうわ」
「それで僕もだね」
「一緒に飲みましょう」
薔薇即ちロゼのワインをというのです。
「そうしましょう」
「それではね」
「薔薇は最高のお花の一つね」
こうも言うサラでした。
「本当にね」
「そうだね、僕もそう思うよ」
「それならね」
「これからだね」
「二人で薔薇を飲みましょう」
笑顔で言ってでした。
二人でロゼのワインも飲みました、そのワインは不思議と薔薇の味がする様に感じられました。それでサラはまた言いました。
「これからもね」
「ロゼのワインをだね」
「飲むわ」
「僕もだよ、そして薔薇もね」
「好きでいていくわね」
「そうしていくよ」
そのワインを飲みつつ言うのでした、そのワインはとても美味しいものでした。
ドリトル先生と奇麗な薔薇達 完
2024・5・11
ページ上へ戻る