身体が小さいのが何だ
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第一章
身体が小さいのが何だ
その猫を家族に迎えることにしてだ、コネチカット州で暮らしている農家のフランシス=オウギュスト年配の茶色の髪と目の大柄な白人の彼は言った。
「子猫だね」
「いえ、それがです」
その雌猫、黒とダークグレーの虎毛の小さな彼女を保護していた施設のスタッフがオウギュストに答えた。
「年齢はもっとです」
「いっているんだ」
「そうなんです、病気で」
「身体が小さいんだね」
「はい、そうです」
「成長が遅い娘なんだ」
「マンチキンという名前で」
「そうなんだね、そうした子もいるね」
オウギュストは何えもないという口調で述べた。
「中には」
「気にされないですか」
「人間だって体格の違いがあるじゃないか」
スタッフに何でもないといった声で応えた。
「だからね」
「宜しいのですね」
「うん、言った通りにね」
笑顔で言うのだった。
「家族に迎えるよ」
「そうしてくれますか」
「これからね」
笑顔のままであった、そして実際にだった。
オウギュストはマンチキンという名前だった猫を家族に迎えた、そして雌の黒猫ダーラと茶色と白の雄のピットブルのネプトに黒の雄のパグのリー、黒の雌のピットブルのリリーに紹介した、その時からだった。
「ニャア」
「ウニャア」
「すぐにこうなったよ」
オウギュストは自宅に来て状況を見に来たスタッフに話した、見れば今はスキと名付けられた彼女はダーラと遊んでいる。
「打ち解けてね」
「先住の娘とですね」
「こうしてね」
「何よりですね」
「そしてね」
オウギュストはさらに話した。
「犬達ともね」
「ワン」
「ワンワン」
「ワォン」
三匹の犬達が部屋に来るとだ。
スキはダーラと一緒に犬達のところに行った、そして今度は彼等も交えて合わせて五匹で遊びだした。
その彼等を見つつだ、オウギュストはさらに話した。
「家の中を走り回りもするし」
「遊ぶだけでなく」
「仲良くね、悪戯もね」
「しますか」
「とても元気だよ」
「そうですか、身体は小さいですが」
「とても元気でやんちゃでね」
温かい目で言うのだった。
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