| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十七部第二章 膠着状態に入りその六十五

「千年来の敵対関係があります」
「先の戦争では勝ちましたが」
「しかしまだ敵です」
「敵対関係は続いています」
「事実ギルフォード総統は我々を敵視しています」
「それも明白に」 
 常に連合の名前を出して敵対と対抗を言っている程だ、これは彼だけでなくエウロパの要人全てがである。
「これまでのエウロパ総統もそうであり」
「用心達もでした」
「千年来そうでした」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「我々はです」
「エウロパに対してどうするか」
「それが問題です」
「何といいましても」
「あの国に攻められない」
「ましてや征服されない」
「このことが重要です」
 連合にとってはというのだ。
「今は技術的にも国力的にも圧倒しています」
「技術は三百年、総生産は六百倍の開きがあります」
「人口は四十倍です」
「それは圧倒的ですが」
「その開きを縮められてはなりません」
「このまま巨大でなければ」
「そう考えましたら」
 まさにというのだ。
「我々は発展していかねば」
「さもないと大航海時代から帝国主義時代の二の舞です」
「再び彼等に征服されます」
「そうなってしまいます」
「我等は奴隷となってしまいます」
 エウロパの者達のそれになってしまうというのだ。
「再び」
「あの様なことは二度となってはなりません」
「絶対に」
「我等は市民です」
 だからだというのだ。
「市民は誰にも支配されない」
「自由な権利を持っています」
「そして連合にいるのは市民です」
「誰もが市民権を持っています」
 連合のそれをというのだ。
「階級はありません」
「奴隷は存在していません」
「それならです」
「誰が奴隷になぞなるものか」
「二度と奴隷にならない」
「その為にです」
 まさにというのだ。
「常にエウロパを遥かに凌駕している国になる」
「あの国が齧ることすら出来ないまでに巨大でなけれど」
「鼠に像は齧れません」
「齧っても歯が立ちません」
「それならです」
「巨大になりましょう」
「巨大であり続けましょう」
 これからもというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧